鎌倉散歩: 笛田から極楽寺へ(下)
笛田と極楽寺を結ぶ打越トンネルは、20~30mほどの短いもので、初めから向こうの出口が見えていた。
その出口のすぐのところに人家があるから、トンネルからの眺めはどこか奇妙である。
トンネルを出ると、山の谷間を狭い道が走り、その両側に家々に立ち並ぶという風景がつづく。
田舎のようでもあり、都会の周縁のようでもある。
こんなところに住んでいるのは、根っからの地元の人なのか、それとも趣味人なのか。静かに仕事に打ち込むにはいい環境だ。
かろうじて乗用車が通れるような狭い道をうねうねと歩いていくと、ぱっと視界が開けて、下の写真のような畑地に出た。
鎌倉というよりも、千葉か茨城あたりの農村を歩いているような気分である。
写真の左側に椿の花がちらりと見える。
徐々に道幅が広がっていき、道が分かれたり交差したりするうちに、左右の山がだんだんと離れていった。下の写真のような、立派な家も見かけた。
そして、「江ノ電極楽寺駅へ」という標識を信じて歩き続けるわれわれである。
すると、道端に小さな祠を見つけた。
この集落の守り神であろうか。周囲には、石仏だか石像だかが何体も立っている。
南天の実の赤が目に鮮やかだったので、柄にもなくこんな写真もパチリ。
そして、打越トンネルから約20分。大仏から約40分の散歩は終わりに近づく。
極楽寺駅北側にある棟割長屋の商店は、うれしいことに健在だった。
このあと、半年に1回ほど顔を出す喫茶店で一服して、夕食の場所を求めて江ノ電に乗った私たちであった。
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