夕暮の谷中墓地・三崎坂散歩
小春日和だった週末、用事のついでに日暮里駅南口で下車。
谷中墓地から三崎坂(さんさきざか)を散歩した。
ちょうど木々が色づきはじめたこともあって、同じことを考えている人たちが墓地を散策していた。
それにしても、いつも思うのだが、墓地を散策してすがすがしい気分になるのは、日本ならではのことかもしれない。
少なくとも土葬が中心の西洋では、墓地といえばおどろおどろしい場所なんだと思うが。
このあたりは、江戸のはずれだったためか、染井霊園、雑司ケ谷墓地など、墓がずいぶんあるが、どれも周囲の家々と連続しているところがおもしろい。
墓地の周囲が塀で囲われているわけでもなく、どこからでも、ひょいと入れるのである。
日常生活に墓が密着しているというべきか。
名古屋出身の妻は、そんな情景を見るたびに驚き、怖がっている。
名古屋市では、戦後、あらゆる宗派の墓をまとめて一大墓地をつくってしまった。そこに行くと、見渡す限り墓地になっていて壮観ではある。
それなりに効率的な都市計画なのかもしれないが、墓が日常生活とまったく切り離されてしまったのはいかがなものか。町のなかに墓があるほうが、人の生死を考える機会が多いために、子どもの情操教育にいいのではないかと、勝手に思うのである。
などと、能書きを垂れているうちに、写真は三崎坂へ。谷中から千駄木の交差点に下る坂である。
この坂は、谷中のなかでも、とくに昔ながらの情緒を残しているところである。
30年ほど前にくらべれば、建て直された家も多いが、それでもなお雰囲気がある。
しかも、最近の谷中ブームにもかかわらず、観光客向けの店がほとんどない。
坂を下ってくると、交通量が増え、高層マンションが何棟も目の前に現れる。千駄木の交差点をそのまま直進すると、そこは団子坂である。
谷中や三崎坂の20~30年前の写真は、拙ホームページのこちらにあります。
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