東池袋・昭和の香り漂う「日の出町商店街」探訪(上)
以前から気になっていた商店街である。東池袋にある日の出町商店街。
正式名称は、「日出優良商店会」。名前からして泣かせる。
都電荒川線の東池袋四丁目電停近くから、東に向かって500mほど続いている。
この電停は、かつては「日出町二丁目」と呼ばれていたが、例の新住居表示にともなって、現在の名前になったのである。
ここで池袋と護国寺を結ぶ大通りと交差するのだが、その通りにもかつては都電17番が走っており、荒川線と平面交差していた。その北東側にある地下鉄の出入口付近には、小さな車庫もあった。
大通りを背にしてホームを下りる。いつもは左折して東急ハンズに向かうことが多いのだが、この日は右折。念願の商店街の撮影である。
これは、電停から近い中山青果店。
家電の横井商店。昔は、電気屋といったら、店の正面はみなこうしたデザインだったっけ。
この写真は、西側を振り返ったもので、バックにイトーピアの高層マンションが見えている。
さらに西に進んでいくと、徐々に空気が濃くなってくる。手前はパン屋のサンジュール。向こう側の古い木造家屋は、靴のニイムラである。
じつは、この商店街、途中までは都電の線路とほぼ並行している。
そして今、都電の線路の両側を道路にしようという計画が進んでいるのだ。そのために、家屋の立ち退きが続いている。それと関連しているのかどうかわからないが、商店街のあちこちが刃こぼれするように欠けて、駐車場となっている。
この店はタニ薬局。さきほどの家電の店と同様、正面のデザインは定番である。
半年に1回くらいはこの道を通るのだが、数年前は店の数自体が多く、人出もあったような記憶がある。そのときに写真を撮っておけばよかったが、そういうときは急いでいたり、カメラを持っていなかったりするものなのだ。
それにしても、池袋副都心のすぐそばにあって、まるでエアポケットのような場所である。はたして、この商店街がいつまでこの姿を保っていけるのだろうか。
とはいえ、近くに住んでもなく、買い物もしない人間が、勝手に懐かしがっているのも申し訳ないような気がする。
そして、東池袋四丁目電停から約300m。美味そうな揚げ物がショーケースに並ぶ惣菜屋を横目に見ながら、なお商店街探訪は続くのであった。
(つづく)
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meg heli flyさん、このあたりは都電の線路の両側を道路にする工事が進んでいて、だいぶ雰囲気が変わってきました。
商店街には直接関係ない工事ですが、あと2、3年もするとだいぶ変化していることかと思います。
投稿: 駄菓子 | 2015-08-24 14:15
20年前に友人の実家、生駒軒に行きました
とても懐かしい感じの、いい雰囲気な商店街で
生駒軒のおばさんは、私をとても親切に、もてなしてくれました
あの時おじさんが作ってくれた肉だんごが美味しすぎて
忘れられないです
生駒軒、また復活しないかなぁ。また行きたいなぁ
投稿: meg heli fly | 2015-08-23 23:09
paceさんは関西人でしたっけ。
大阪・天王寺の阿倍野銀座がなくなったのは残念至極です。
その他、京都、神戸に行くときも、商店街めぐりは欠かせません(笑)
それにしても、地方都市の商店街は、どこも青息吐息ですね。
首都圏や関西圏はまだまだ商店街が元気なほうだと思います。
どちらにしても、今のうちに記録しておかなくては、なーんて思っている霜月のついたちでした。
投稿: 駄菓子 | 2011-11-01 00:49
駄菓子さん、こんにちは。
東池袋の日の出町商店街。 関西人の私が一度も足を踏み入れたことのない所ですが、写真を見ただけで懐かしさがムンムン漂ってきます。(駄菓子さんと同世代なので)
古い日立のマークを正面に貼りつけた電気屋さん、薬局の看板にはオイラックスの商品名(懐かし~い!けど何の薬だったっけ・・・?)。 まるでタイムスリップした気分です。
去年、近江八幡を訪れた時、古そうな薬局に浪花千恵子がオロナイン軟膏を手にしているホーローの看板を見つけて、思わず涙しそうになりました。(^^;;
投稿: pace | 2011-10-31 13:46