川原湯温泉----八ツ場ダムの底に沈む温泉
先月のなかば、仕事で群馬県に行く用事があった。
そのついでに立ち寄ったのが、川原湯温泉。
高崎駅から吾妻線直通の普通列車で、1時間あまり。
榛名山と草津の間、吾妻川に沿った場所にある。
昨年の政権交代の前後には、八ツ場(やんば)ダムの建設を差し止めるかどうかで、話題になった場所にある。
八ツ場ダムが完成すると、川原湯温泉駅から川原湯温泉一帯がダム湖の底に沈み、吾妻線も一部路線を付け替えることになっている。
温泉の入口までは、川原湯温泉駅から歩いて5分ほど。
ダム湖に沈むというから、駅から道を下っていくのかと思いきや、ずっと登り坂であった。
平日の昼下がりということもあったのか、観光客は立ち寄り湯に来た若者のグループを目にしたのみ。あとは、地元の人を数人見かけた程度であった。
写真の一本道に沿って宿が並んでいる。
賑やかな温泉街を想像していたが、射的やお化け屋敷があるわけでもなく、山道に沿って温泉宿が建ち並ぶ、昔ながら湯治場という印象だった。
集落の入口から奥までは300mほど。奥には神社があった。川原湯神社というらしい。
なかなか雰囲気のある神社である。
宗教心に欠ける私だが、大枚100円ほどを賽銭箱に投げ、形ばかりの参拝。
目を引いたのは、周囲にある道祖神や石仏、石塔などである。
これも、ダムの底に沈めてしまうのはもったいない。
新しい土地に運んでいくのだろうか。
本当は立ち寄り湯に入りたかったのだが、時間がなくて断念。
その代わり、神社に向かう階段の下に設けられた足湯に、しばしつかる私。
当日は35度を越える酷暑だったので、誰も見ていないのをいいことに、ここで靴下だけでなく、汗びっしょりになったシャツも着替えることにした。
ただし、パンツの履き替えは、帰りの高崎駅まで持ち越しとなる。
最後の写真は、駅への帰り道、吾妻川の対岸に見えた建設中の橋脚である。
湖面1号橋と呼ばれている橋で、ダムができると、あの橋脚の上部あたりが湖面となる。つまり、そこまでにあるものはすべて水没するのだ。なにもかも。
橋の近くには、移転先の住宅工事が進められているそうだ。
(次回は、ここを走る吾妻線を紹介します)
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