マッサ・マリッティマの食事はドゥオーモ前で
グロッセートのトラットリーアを紹介したので、ついでにというわけではないが、その前の日に泊まったマッサ・マリッティマの食事についても書いてみることにする。
着いた当日に降っていた大雨も、翌朝には止んで散歩日和になった。
散歩といっても、狭い町なのでたいして時間がかからない。
さて昼飯でも思って探すと、ドゥオーモ近くに下のような写真の店があった。
入口の左側には「BARRISTORANTE」、右側には「MICHELANGELO」と書かれている。
バールにもリストランテにもなるという店は、使い勝手がいいという相場になっている。
ミケランジェロとマッサ・マリッティマとの関係は知らないが、この店で昼食をとることにした。
店内はとても明るくて清潔な感じ。こんな田舎町に……といっては失礼だが洗練されたセンスの店であった。
そして、パニーノとともに、このところお気に入りのビール「モレッティ・ロッソ」、つまりモレッティの赤ビールを頼んだ。
もちろん、これまでのモレッティと同様に、ラベルにはあのおじさんの絵が健在である。
まあ、ただそれだけのことなのだが、なんとなく印象に残っている店なのである。
写真の片隅に写っているが、軽食をとりながら勉強をしているのだか、何か熱心に本を読んでいた若い女性がいた。
また、いい身なりをした地元のおじさんおばさんたちがやってきて、昼間からスタンディングでベルモットかなんかを飲みながら、楽しそうに語らっていた。
そんな店内を、窓から注ぎ込む光が、やわらかく包んでいるような印象だったのである。
ちょっとキザですが。
もっとも、そんなふうに感じたのも、あまりにも前夜の雨の激しさが心に残っていたからかもしれない。
前夜、ホテルに着いたのは22時近くになっていた。
ホテルのフロントで聞いていなければ、こんな真っ暗な田舎町で食事にありつけるとは、絶対に思えなかった。
「ドゥオーモ前の広場なら、どんなに遅くても3店くらい開いているよ」と彼は言っていた。
そういえば、タクシーの運転手も、「マッサ・マリッティマなら、遅くなっても食事の心配はいらない」と話していたっけ。
暗い夜の坂道を、傘をさしながら歩いた。
だが、ようやくドゥオーモ前の広場に近づいても、ドゥオーモがライトアップされているだけで、ほぼ真っ暗。
雨もいっそう激しくなり、「こんなところで店が空いてるのか」と心配になって泣きだしそうになったころ、ぼんやりと店の入口の明かりが見えてきたというわけである。
そのときの記事で、「救世主メシ屋!」と叫んだのも、そんないきさつがあったからなのだ。
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