« グロッセートの山盛り海の幸フライ | トップページ | マッサ・ヴェッキア--野道の散歩 »

2011-07-05

マッサ・マリッティマの食事はドゥオーモ前で

グロッセートのトラットリーアを紹介したので、ついでにというわけではないが、その前の日に泊まったマッサ・マリッティマの食事についても書いてみることにする。

着いた当日に降っていた大雨も、翌朝には止んで散歩日和になった。
散歩といっても、狭い町なのでたいして時間がかからない。
さて昼飯でも思って探すと、ドゥオーモ近くに下のような写真の店があった。

マッサ・マリッティマの食事処

入口の左側には「BARRISTORANTE」、右側には「MICHELANGELO」と書かれている。
バールにもリストランテにもなるという店は、使い勝手がいいという相場になっている。
ミケランジェロとマッサ・マリッティマとの関係は知らないが、この店で昼食をとることにした。

店内はとても明るくて清潔な感じ。こんな田舎町に……といっては失礼だが洗練されたセンスの店であった。
そして、パニーノとともに、このところお気に入りのビール「モレッティ・ロッソ」、つまりモレッティの赤ビールを頼んだ。
もちろん、これまでのモレッティと同様に、ラベルにはあのおじさんの絵が健在である。

モレッティ・ロッソ

まあ、ただそれだけのことなのだが、なんとなく印象に残っている店なのである。
写真の片隅に写っているが、軽食をとりながら勉強をしているのだか、何か熱心に本を読んでいた若い女性がいた。

また、いい身なりをした地元のおじさんおばさんたちがやってきて、昼間からスタンディングでベルモットかなんかを飲みながら、楽しそうに語らっていた。
そんな店内を、窓から注ぎ込む光が、やわらかく包んでいるような印象だったのである。
ちょっとキザですが。

深夜のトラットリーアで

もっとも、そんなふうに感じたのも、あまりにも前夜の雨の激しさが心に残っていたからかもしれない。
前夜、ホテルに着いたのは22時近くになっていた。
ホテルのフロントで聞いていなければ、こんな真っ暗な田舎町で食事にありつけるとは、絶対に思えなかった。
「ドゥオーモ前の広場なら、どんなに遅くても3店くらい開いているよ」と彼は言っていた。
そういえば、タクシーの運転手も、「マッサ・マリッティマなら、遅くなっても食事の心配はいらない」と話していたっけ。

暗い夜の坂道を、傘をさしながら歩いた。
だが、ようやくドゥオーモ前の広場に近づいても、ドゥオーモがライトアップされているだけで、ほぼ真っ暗。
雨もいっそう激しくなり、「こんなところで店が空いてるのか」と心配になって泣きだしそうになったころ、ぼんやりと店の入口の明かりが見えてきたというわけである。
そのときの記事で、「救世主メシ屋!」と叫んだのも、そんないきさつがあったからなのだ。

« グロッセートの山盛り海の幸フライ | トップページ | マッサ・ヴェッキア--野道の散歩 »

イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« グロッセートの山盛り海の幸フライ | トップページ | マッサ・ヴェッキア--野道の散歩 »

著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
無料ブログはココログ

.