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2011-03-01

やっと思いがかなったアンギアーリ訪問

いろいろとわけがあって、更新が遅れてしまったけれど、アレッツォ到着の翌日となる2月23日の話。

その日の目的地は、アレッツォからバスで30分ほど東にあるアンギアーリ(Anghiari)の町である。
詳しいことは、そのうちホームページの「イタリア町めぐり」で取り上げるが、今を去ること20ン年前。サンセポルクロに向かうバスから見て、再訪しようと心に決めた町だったのだ。

アンギアーリの広場

その思いがやっとかなって、丘の上を吹き抜ける風の冷たさもあまり感じなかった。
……と言いたいところだが、かなり寒かった。昼過ぎには黒い雲が町の上を通過し、雪が舞うほどの状態である。

朝10時半ごろにバスで到着したときは、ちょうど町の中心の広場で小さな市が開かれている最中。
ジジババも大挙して集まっており、なかなか活気にあふれた雰囲気だった。

アンギアーリ旧市街遠景

ここは、15世紀にあったフィレンツェ軍とミラノ軍との「アンギアーリの戦い」の舞台でもあった地である。日本でいえば、関ヶ原か川中島といったところか。
イタリア人にとって、来たことはなくても名前だけは知られている町である。

こっそり写真を撮っていると、50歳くらいの元気なおじさんに、「おお、さっき写真を撮っただろう。魂を抜かれちゃったよ!」と笑って肩を叩かれてしまった。

そこで、「はっはっは、でも美しい町ですね!」と、例によってお世辞を言う私。でも、本心でもある。

旧市街の小さな広場

「そうだろう。適度に小さくて賑わいもあってね」と、この道を行くと何々教会に出て、あっちの道はなんとか広場に出ると教えてくれた。
もっとも、道に迷っても、すぐに一周して戻ってこられるほど、城壁に囲まれた旧市街は小さい。

アンギアーリ遠景

それにしても、小さなインフォメーションで帰りのバスの時刻を聞いたのだが、まさかそれが間違っているとは思わなかった。
12時55分のバスに乗り遅れたときには、「まだ13時20分発があるからいいや」と思っていたが、そんな便はバス停にも書いてなかった。
結局、昼休みでことごとく店が閉まるなか、風を避けて14時のバスまで待つことになる私だった。

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

アトムズさん、お久しぶりです。
大震災の1週間前に東京に帰ってきたんです。
アンギアーリに着いたのが昼前だったので、ずいぶん賑わっていました。
町を歩く時間によって、印象はまったく違いますね。

 最近はブログからすっかりご無沙汰していて(自分のブログも(^^;)、今頃、亀ですみません。イタリアに行かれていたのですね。時系列逆に拝見していて、ここに当たりました。アンギアーリは、私も宿題として残している町です。アレッツォからモンテルキへ行ったあと、サンセポルクロへ向かうバスの車窓から見て、とても魅力的な町に思えました。こんなに人がいる様にも見えず、真冬だったからか、とても寂しい町に思えました。でも、人出もあるんですね。サンセポルクロでもあわやアレッツォ行きのバスに乗りそびれそうになりましたし、こういうバスしか走ってない町は、乗りそびれが恐いし、なかなか、1週間程度の旅では難しいと思うのですが、積年の思いを果たしたモンテルキの様に、いつか必ず訪ねたいと思っています。「町めぐり」楽しみにしています。ありがとうございました。

gatticelliさん、そういうお話を聞いていると、やはり行かなくてはという気分になってきます。ああ、いくら行ってもきりがないイタリア!
スカンノ付近はスキーもできるようですね。観光シーズンは夏と冬なんでしょうかね。

駄菓子さん。
未亡人の黒い服装は、ちらほら目にします。スカンノの人達は、全体的に黒い羽織りものが多いような気もしますが、やはり特殊ですから。
この季節、観光客の姿は殆んど見かけず、あちこちのホテルもひっそりと沈黙しています
昨日は復活祭前の日曜日。街でいちばん大きな(と言ってもとてもピッコラ)広場は、わらわらと地元の老若男女で暗くなる頃まで賑わっていたようです。寒さ厳い土地柄ゆえ、この先にある遅い春の訪れに心弾む気持ちが伝わるようでした。

gatticelliさん、いよいよアブルッツォですね!
スカンノはローマから直通バスが出ているということで、かなりの観光地なんですね。今でも、未亡人は真っ黒な服装で過ごしているんでしょうか。
カルチエ=ブレッソンはどうだったか忘れましたが、ジャコメッリはここで撮った写真が有名ですよね。
やっぱり、一度は行かなくちゃいけないか。

駄菓子さん、gatticelliです。こんばんは。
今、スカンノに来ています。今日、ローマからバスを乗り継いで遂に…(感涙)。まわりを山々に囲まれたちいさな集落ですが、丘上都市マニアなら訪れてみたくなるはず。早速、絵になる路地を探検してみました。たしか写真家のブレッソンやジャコメッリも、ここで作品を残していたと記憶しています。時折小雨がぱらつく、まだまだ肌寒いこの季節、サムガリータの私にはそれだけが少しつらい……。

こんにちは、gatticelliさんもアンギアーリにいらっしゃったんですね。
うーむ、猫モノの店は見落としていました。
たぶん、並びの店で昼飯にパニーノを食べたんですが。
gatticelliさんのアブルッツォ巡礼は、どうも地震に呪われているようですね。行き着いたら、ぜひご報告を!

駄菓子さま、こんばんは。
久々に拝見したところアンギアーリの記事を発見、コメントを書かせていただくことに。
一昨年の春に訪れた時のことを懐かしく思い出しました。
旧市街に入ってすぐ、木製のペイントされた猫モノの店があり、開くことのなかった扉から未練がましく店内を覗いたこと…など。

以前から予定しては幾度か挫折し続けていたアブルッツオ方面を近々訪れる予定です。
震災後の混乱で、まだまだ不安はあるのですが。
スカンノとパチェントロ、今度こそ辿り着けますように。


この丘の上で戦いがあったのか、それともふもとの平原であったのか。
残念ながら調べる間がありませんでした。
いまから思うと、おせっかいなおじさんに聞けばよかった。

私はその、フレンツェ近郊にアンギアーリと呼ばれる原っぱとか谷があるのかと思ってました(関ヶ原とか桶狭間みたいな感じ)。こんな立派な街があるとは!

なんか行きたい・・・けど、まずはカノッサ城に行って、ルビコン川を渡ってからですかね。私の場合、ここは。

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