晩秋の廃線跡----西武安比奈線
週末に、図らずも廃線ウォークをすることになった。
行き先は、西武新宿線南大塚駅から分岐していた安比奈線である。
埼玉県の川越市内にある貨物線の廃線跡で、1960年代のなかばまで、入間川の砂利を採取するために運行されていた。
東京からも近く、マニアにはよく知られた存在だが、恥ずかしながら私は初めての訪問であった。
実は、仕事の鉄道雑誌のコラムで使うために、写真が1枚必要だった。
しかも、モノクロページである。
そのためだけに、年末進行の忙しいなか、電車賃と時間をかけてやってきたわけだ。
もっとも、仕事が気になって落ち着かなかったのは最初のうちだけ。
貨物線跡ということであまり期待していなかったが、思いがけない雰囲気のよさに徐々に引き込まれて行った。
30年ほど前、九州や東北の山の中まで森林鉄道の跡を追っていった私は、近ごろの廃線ブームに対しては斜に構えていたのだが、ここは悪くない。

この路線のメインイベントは、雑木林を突っ切る区間である。
ただし、立入禁止になっているので、よい子は柵の外から撮ることになっている。
黄色く色づいた葉を、晩秋の夕日が鮮やかに照らし出していた。
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