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2010-10-19

東京スカイツリーとボンネットバス

週末に押上から業平橋あたりを歩いたのだが、町が工事中のスカイツリーを見にくる人であふれているのに驚いた。
しかも、道行く人の半分くらいが首を上に向けている。
そして、ちょっと見通しのいいところでは、デジカメや携帯カメラを出して記念撮影している。
今からこうだから、完成したらいったいどんな騒動になるのだろうか。

ボンネットバス

私は別の目的で、このあたりをうろうろしていたのだが、そんなときにやってきたのがこれ。
ボンネットバスである。
曳舟川通りで信号を待っていたら、横に止まった。
あわててカメラを出して、バスの前にまわり、ようやく撮ったのがこの1枚目。

ボンネットバスとスカイツリー

側面に「三重交通」とあったので、「なぜ三重交通のバスがここまで?」と思ったが、正面上の表示でわかった。

NPOバス保存会の所有車なのだ。

とはいえ、なぜここを走っていたのかという疑問が解消したわけじゃないが、まあそんなことはどうでもいいのだ。

当然、旧型のボンネットバスとはいえ、歩行者よりは早い。
だから、これでもう写真は撮れないと思っていたら、なんと次の大通りに出る信号にまた引っかかっていた。

それを見て、重いバッグを持ちながら全速力で駆けだす私。
信号が長いのを幸い先回りして、道の反対側で待ち構えた。
そこまで行けば、スカイツリーがフレームに入るというところまでは計算通りだった。

ボンネットバスとスカイツリー

だが、スカイツリーはやっぱりデカかった。
なにしろ、そろそろ500mに届こうという建造物である。
間近でフレームに収めるのは、28mm程度の広角レンズではとうてい不可能。
というわけで、下のほうがちょっと入った写真か撮れただけである。

それにしても、周囲にはあんなにスカイツリーの見物客がいたのに、ボンネットバスにカメラを向けていた人が皆無だったのは解せない。
それどころか、興味を示していた人も見当たらなかったのは不思議である。
私のようなモノ好きは別として、古いもの好きと新しいもの好きは、別のタイプの人間なのかもしれない。

週末の午後、ボンネットバスとの一瞬の出会いであった。


ところで、過去に現役のボンネットバスの写真を1枚だけ撮ったことがある。
それが、下の写真だ。

九州産交のボンネットバス

1973年7月、阿蘇の南側で見た九州産交バスのボンネットバスである。
国鉄高森線(現・南阿蘇鉄道)の阿蘇下田駅と垂玉温泉を結んでいた。
高校生だった私は、友人たちと蒸気機関車を撮りに来て、このバスに乗って垂玉温泉の国民宿舎に1泊したのであった。

当時、すでにボンネットバスは珍しく、まさかこんなところで出会うとは思わなかった。
温泉に行く道はカーブの連続で、大型バスが入れなかったのだろう。
確か、道も途中から舗装されていなかった。
左右に揺れるのはもちろん、天井に頭を打ちそうになるくらい上下に激しく揺れたことを覚えている。

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コメント

minaさん、こんにちは。
急に、東京の真ん中(でもないか)にボンネットバスが出現したのでビックリしましたよ。
でも、スカイツリーもなかなか心ひかれますよ。
ツイッターにも書いたんですが、奈良時代の人が東大寺の大仏を見たときも、こんな気持ちになったのではないかと。

お久しぶりです。
夏の城西大学の講演の時には、midicaの写真を使用させていただきました。

このバスいいですねえ・・私もスカイツリーよりも
断然ボンネットバス派です!!

夢翔庵さん、はじめまして。
ほんの少し人生の先輩でいらっしゃいますね。
拙著お買い上げありがとうございます。まだまだネタはあるので、続編、続々編とつくりたいのですが……。

このボンネットバスがいきなり走ってきたのにはビックリしました。
それにしても、当時としてはかなり斬新な塗り分けですね。
とってもおしゃれに見えました。

というわけで、今後ともよろしくお願いいたします。
ツイッターでは、あまり実のないことばかりつぶやいていますので、がっかりしないでくださいね。

『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今 』を拝読させていただき、こちらのブログを読ませていただいています。過去に撮られた場所を再訪されて同じポジションで比較・論考された本、たいへん興味深く読ませていただきました。撮影だけでもたいへんな手間とご苦労だったでしょう。あの写真の昔の方にとめどない郷愁を抱く50代後半の鉄道好きなオヤジです。
今日思わずコメントさせていただいたもう一つの理由は三重交通のバスの塗装が懐かしかったからです。1970年、広島県の高校の修学旅行が紀伊半島一周で、そのときずっとこのカラーリングの三重交通のバスに乗って移動していました。さすがにボンネットではありませんでしたが、今はもう違うデザインでしょうから貴重なものを見せていただきました。
今後のご活躍をお祈りしています。(ツィッターもフォローさせていただきますね。mushoan)

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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