22世紀まであと90年
私たちの世代が少年少女のころ、「21世紀」ということばは未来の象徴だった。
それは、つねに未来であって、永遠に訪れないものだと思っていた。
「2001年になったら45歳だよ~」なんて会話はしていたけれど。
小学校の図画の時間には、21世紀なんていうタイトルの絵をグループごとに描かされた覚えがあるが、たぶんどのグループの絵のようにもなっていないに違いない。
なにしろ、今でも生まれ育った東京の下町には木造家屋が密集して、道端には雑草が生えているのだ。
そして、新幹線は網走や高知に伸びることもなく、リニアモーターカーが東海道を走ってもいない。
目に見えるところは、少なくとも思ったほど変わらなかった。
そんなことを思い出したのも、東大病院でこの表示を見たからだ。
「22世紀医療センター」
一瞬ぎょっとしたが、考えてみれば不思議ではない。もはや21世紀は現実そのものなんだから、未来といったら22世紀だろう。
でも、21世紀になったことさえ、いまだに実感がわかないのだから、22世紀が来るなんて思ってもみなかった。
このネーミングを考えた人は、よほど想像力がたくましいのか、それとも単に21の次だから22にしたのか。
いずれにしても、22世紀はあとたったの90年でやってくるのだ。
私自身は22世紀を見ることはないだろうが、今年生まれてきた子どもたちならば十分に見る可能性がある。
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