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2010-09-16

南海汐見橋線(その2)真夏の白日夢・木津川駅

汐見橋駅から2つ目、木津川駅ほど廃墟じみた駅は少ない。
線路もホームも雑草が伸び放題。
駅名の看板は錆だらけ。
そして、大阪という大都会にありながら、駅の周囲には人の気配がほとんどないのだ。

木津川駅のホーム

『鉄道を撮る』でいっしょに原稿を書いている宮田氏が、第3号で取材したところによると、2008年の1日の乗降客は平均89人なんだそうだ。
ということは、1列車あたり2人以下。山奥の駅ならいざ知らず、とんでもない数字である。

木津川駅の駅舎

下車して写真をひととおり撮ったところで茫然とした。
エアコンがどこにもない。
待合室などもないし、駅前に店の一つもない。目の前には殺風景な倉庫ばかり。
35度を超える暑さのなか、日陰でぼんやりと次の電車を待つしかなかった。

木津川駅

しかし、せっかくだから電車の走行写真を撮ってみたい。
そこで、駅の近くにある踏切を渡り、反対側にまわってみると、ようやく人家が見えた。

木津川駅の踏切

踏切で待っているときに、郵便配達のバイクが通りかかった。
頭が痛くなるような日射しのもと、真っ赤な色がやけに目に鮮やかに映り、脳髄を刺激したのだった。

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コメント

じょばさん、こんばんは。
3連休も結局締め切りに追われた私でした。
汐見橋線は、将来ここを延長してキタのほうに抜ける野望を南海が持っているそうで、そのために残しているのだとか。
さもなければ、私たちのような人間のために、道楽で残しているのかも。

次回は、天下茶屋方面ももっとじっくり歩きたいと思っています。東京の下町に生まれ育った身としては、実に親近感が持てる町です。
それにしても、最近は阪急電車も天下茶屋に直通しているんですね。
あのシックでちょっとすました茶色の電車が、「天下茶屋」なんて行き先を出しているのは、かなり違和感があって楽しめました。

駄菓子さん、こんばんは♪
こちらこそ御礼が遅くなりましたが、
これに懲りず、また一緒に杯を傾けられる日がくれば…と思いますvv

それにしても!!!
南海汐見橋線って、天下茶屋方面の様子は知ってますが
(すごいところでしょ?あの辺りって(^^ゞ
初めの方はこんなローカルな雰囲気なんだ〜

でもシャッター心を誘う風景ですよね
青春きっぷのポスターに取り上げてもらったら
一気に乗車率上がるのになぁ〜(笑)

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著書

  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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