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2010年9月の5件の記事

2010-09-25

夕日に輝くアサヒビール本社ビルに映るスカイツリー

建設中のスカイツリーを見ると、「そのうちありふれた光景になるのに」とは思いつつ、思わずカメラを向けてしまう今日このごろである。

アサヒビール本社ビルに映るスカイツリー

24日、25日は、所用あって浅草近辺をうろうろ。
夕方の隅田公園をぶらぶらしていると、西日に輝くスカイツリーが目に入った。

東京スカイツリー

そして、通称ウンコビルことアサヒビール吾妻橋ホールと、それに隣接する黄金色のアサヒビール本社ビルが、夕日を反射して金色にきらめいているのを見た。

アサヒビール本社ビルに映るスカイツリー

「そうだ、スカイツリーがこのビルの壁面に映っているはずだ」
そうしたポイントがあることは、どこかで耳にしていた。

台東区側の隅田公園をうろつくこと数分、ようやくそのポイントを見つけた。
東武線の鉄橋のやや南側である。

そのうち、こんな景色はしょっちゅう見られるようになるはずだが、なんとなくうれしくなってシャッターを押した。

まあ、誰でも簡単にその場所に行けて、シャッターを押すだけで同じように撮れるきれいなだけの写真だけどね。

2010-09-23

南海汐見橋線(その3・終)西天下茶屋駅

木津川の次の次が西天下茶屋駅。
ここは、周囲の町も、駅自体も、なかなか味わい深いところである。

西天下茶屋駅駅舎

まず、この下りホーム側にある駅舎。
まるでガウディが設計したのかと見紛うばかり(言い過ぎ?)
屋根や窓の幾何学的な構成が美しい。

西天下茶屋駅駅舎

次の写真は、駅舎を線路側から見たところ。これまたいい感じ。
上下それぞれ30分に1本しか列車がやってこず、1本の列車で数人しか乗り降りしない駅には、もったいないくらいの贅沢なつくりである。

上りホームへの入口

そして、こちらは汐見橋に向かう上り列車のホームへの入口である。
駅自体もさることながら、付近の町の雰囲気もまたいい。
とくに、この角の家はなんだ。三角形の敷地に木造の家屋が建っている。
天ぷらだったかどうか忘れたが、何を食べ物をつくって売っている店だった。
店のおばちゃんと、客である近所のおばちゃんが、楽しそうに話していたのが印象的である。

西天下茶屋駅

そして、改めて踏切から駅を見ると、この雑草の生えっぷりがいい。
最近は路面電車で道路に芝生を敷きつめる「芝生軌道」が注目されているが、これは「雑草軌道」である。
エコなのかも。

西天下茶屋駅

駅のベンチがまたいい。
日の光を浴びて、思わずうたたねしたくなる……と言いたいところだが、この日は最高気温が35度超。
下手にうたたねすると、熱中症になりかねないところであった。

2010-09-16

南海汐見橋線(その2)真夏の白日夢・木津川駅

汐見橋駅から2つ目、木津川駅ほど廃墟じみた駅は少ない。
線路もホームも雑草が伸び放題。
駅名の看板は錆だらけ。
そして、大阪という大都会にありながら、駅の周囲には人の気配がほとんどないのだ。

木津川駅のホーム

『鉄道を撮る』でいっしょに原稿を書いている宮田氏が、第3号で取材したところによると、2008年の1日の乗降客は平均89人なんだそうだ。
ということは、1列車あたり2人以下。山奥の駅ならいざ知らず、とんでもない数字である。

木津川駅の駅舎

下車して写真をひととおり撮ったところで茫然とした。
エアコンがどこにもない。
待合室などもないし、駅前に店の一つもない。目の前には殺風景な倉庫ばかり。
35度を超える暑さのなか、日陰でぼんやりと次の電車を待つしかなかった。

木津川駅

しかし、せっかくだから電車の走行写真を撮ってみたい。
そこで、駅の近くにある踏切を渡り、反対側にまわってみると、ようやく人家が見えた。

木津川駅の踏切

踏切で待っているときに、郵便配達のバイクが通りかかった。
頭が痛くなるような日射しのもと、真っ赤な色がやけに目に鮮やかに映り、脳髄を刺激したのだった。

2010-09-13

南海汐見橋線(その1)都会のエアポケット・汐見橋駅

先週の6日は仕事で大阪に出張。
ついでに1泊して、翌日の7日--実は誕生日の昼間を大阪の散歩にあてた。
前日、G女史としこたま飲んだアルコールの影響をやや残したまま、行った先は南海の汐見橋線である。

汐見橋駅

始発駅の汐見橋は、難波からほど近く。隣駅の桜川に隣接している。
2006年に来て以来、二度目の訪問なのだが、周囲の風景からぽつんと取り残されている様子は相変わらず。
とくに、阪神なんば線の新しい出入口が隣にできたことで、さらにその対比が激しくなった。

汐見橋駅

むしろ、ICカード対応の自動改札機が目を引くような状態である。
改札口の上には、年代物の南海電鉄沿線観光地図が飾ってあるが、そろそろ補修をしないと崩れ落ちそうだ。

そして、この線を走る列車は30分に1本。
いくら興味深いからといって、駅で撮影にうつつを抜かしていると面倒なことになる。

汐見橋駅

さあ、ここ汐見橋から南海高野線の岸里玉出まで9分間。わくわくするような旅がはじまるのであった。

2010-09-08

台北、中華商場 1991年

初めて台湾に足を踏み入れたのは、戒厳令が解除された4年後の1991年であった。
今の台湾になじんでいる人には信じられないかもしれないが、まだまだ、「謎の島・台湾」という時代だったのだ。
このときは台北とその周辺しか歩かなかったのだが、台北市内で感激したのは、萬華から龍山寺あたりの賑わいと中華商場の威容であった。

中華商場

台北駅から龍山寺に伸びる、台北のメインストリートの一つである中華路。その脇に、3階建ての商業ビルが延々と2キロに渡って続く--それが中華商場である。

中華商場

それは、ちょうど東京の古い都営アパートのような外観であった。
いくつもの棟が歩道橋でつながっていて、道路におりずに歩いていくことができる。
まあ、空中商店街といったところである。

中華商場から見た風景

その後、かなりたってから台湾を再訪したのだが、とうとうこのビルを見つけることができなかった。
それもそのはずで、私が最初に訪れた直後に取り壊されたのだそうだ。

中華商場

ちなみに落成は1961年のこと。当時の写真が、ここ に掲載されている。

中華商場

グーグルローカルのストリートビューを見ると、この中華商場が建っていたところも道路となって、広々とした中華路を車が行き交っている。
この写真を撮ったのは、たったの20年前のことだが、その間に台湾は大きく変わってしまったようだ。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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