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2010-08-08

『ラッキー』よ永遠に--ある宮古島料理店のこと

(その後、ラッキーは元の場所で復活して営業しています!)

東京・亀戸にある宮古島料理『ラッキー』が7月いっぱいで閉店となった。
最近は半年に1、2回しか足を運ばなくなってしまったので、偉そうなことはいえないが、かなりショックである。
人生の1ページ……というと大げさだが、間違いなくある部分を過ごした場所だったからだ。

ラッキー店内

きっかけは、1994年の宮古島旅行だった。
4連泊した「先嶋旅館」では、2泊目以降は私一人。
「夕食は隣の食堂で食べなさい。1000円以上になったら別に払ってくれればいいから」
オーナーのトミおばあは、隣接する「ラッキー食堂」のオーナーでもあったのだ。

せっかくだから変わったものを食べようと、連日、ヤギ汁、イラブー(ウミヘビ)の燻製の汁、カメの刺身といったものを注文して、しこたま酒を飲んでいたもんだから、毎日1000円をかなりオーバーして支払っていた私であった。

宮古そば

そのおばあの娘さん夫婦が、東京の江東区で店をはじめたということで、亀戸を訪ねたのがはじまりである。
独身のころは比較的近くに住んでいたので、ちょくちょく出かけたものだった。
結婚してからも、妻や友人をつれてたまには顔をだしていた。

それにしても、この店は東京の異空間であった。
とくに、2006年ごろだったかに50メートルほど移転する前の店舗は、まるで宮古島がそのまま引っ越してきたような雰囲気(下の2枚の写真)。
宮古島の店を一時引き払っておばあが東京にやってくると、さらに空間は濃くなっていった。
(実は、おばあの生まれ故郷は宮古島のそばにある多良間島である)

この店で開かれた三線教室に通ったのもいい思い出である。
店のママが亀戸カメリアホール使用のくじびきを当ててしまったものだから、素人軍団十数人で、大胆にも400名収容のホールで演奏したっけ。

旧店舗

底抜けに楽しいこともあったし、つまらないいさかいもあった。
どちらにしても、なぜかここに来ると気分が高揚するのである。
そんなラッキーももう閉店だ。
もう、おばあ特製の中身汁(豚の内臓のすまし汁)は食べられない。
そして、日々の塵労にだらけた精神を刺激する、あの濃い空間にひたることもできない。

旧店舗

かすかな期待は、「また店をやるよ」という店の人のことばである。
ぜひ、またいつかどこかで店を再開してほしい。
「ラッキーよ、永遠に!」

(後半の2枚の写真は旧店舗での撮影。ピースサインをしているのが、数年前、NHKの昼休みの番組に1週間連続出演して沖縄料理、宮古料理を紹介したトミおばあ)

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コメント

くっぴーさん、ご報告ありがとうございます。
おばーが長野から帰ってきましたか。近々行きたいと思います。
みなさんによろしく。

2013年5月現在、おばーも帰ってきて、年中無休でやってますよ。ぜひ来てください。
ママの揚げ物、ちゃんぷるー、宮古そば、おばーの料理も美味しいですよ。料金も安い。夕方6時から12時までですから。そばは、宮古のハワイ製麺で、てんぷら(かまぼこ)も宮古産だから、本物の味。(たまに品切れで、入荷待ちのときもある) 宮古島、多良間方面に興味のある方、一度行ってみてください。

み~やさん、はじめまして!
んみゃーち!
ぜひ、ラッキーをたずねてくださいね。
とってもディープな店です。宮古出身のお客さんもよく来ていますよ。
再度開店してから、まだ1回しかいってないんですが、元気に営業していると思います。
店に行ったら、FUTAMURAのホームページを見てきたと言ってみてください。
では、たんでぃーがたんでぃ!

最近宮古島から上京してきました。少しホームシックになっております。今後お店におじゃましたいです。

その後、ラッキーが復活したそうです。
あまり深い事情は聞かなかったのですが、いろいろな問題点をクリアして続けることができたのだとか。

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