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2009-10-10

道北・風連の町並みと駅

 下川からの帰り、同行者たちは昼前に旭川空港から東京へ帰るという。フリー稼業である私は、急いで帰る必要もないので、途中でレンタカー(ワゴン車)から降ろしてもらうことにした。列車でのんびりと札幌に向かえばいいかと、新千歳空港発の夜遅い便を予約していたのである。

風連駅前

 旭川近郊で降ろしてもらってもよかったのだが、せっかくの機会だから多少交通費はかかっても、なるべく下川近辺で降ろしてもらおうと思い立った。近くで大きな駅というと名寄駅だが、それではかなり大回りをさせてしまうことになり申し訳ない。
 そこで決めたのが、宗谷本線風連駅であった。

風連の中心部

 以前は、風連町という独立した町だったが、例の平成の大合併によって名寄市に組み込まれてしまった。旧町名は、近くを流れる風連川に由来しているようで、風連川のアイヌ名はフーレ・ベッである。ベッ(ベツ)は「川」の意味で、そのまま音訳して「……別」という地名になっていることも多い。
 道東の別海町にも、違う字を当てているが、やはり風蓮という地名があって、学生時代に行ったことがある。

古い商店

 かつては北海道の端にいくと、開拓時代をしのばせる建物をよく見かけたのだが、今ではそれも珍しくなってしまった。コンクリートでしっかりと固められた建物があるのみだが、それでも道の広さと、余裕のある敷地が大陸的な雰囲気をかもしだす。

風蓮の商店街

 レンタカーの運転をしてくれた同行者が、市街地を走っていたときに、「いま何キロ出していると思いますか?」と尋ねたときのこと。「40キロぐらい?」と一人が答える。私もそんなところかなと思ったら、「70キロですよ」という。
 高速道路ではない。一般道である。しかも市街地のなかで、前後にも車が走っている。
 車道も歩道も広いので、車内にいるとスピード感が本州と違う。どうしても錯覚してしまうようで、北海道でレンタカーの事故が多いというのもうなずけた。

風連駅

 それにしても、市街地で商店街もあるというのに、ほとんど外を歩いている人がいない。秋の日が暖かく、湿度も低くて気持ちがいいのに! 買い物もお出かけも、みんな車で移動しているのだろう。
 そういえば、前日の下川町でも、仕事先の地元の人に「昼食に行きましょう」と誘われて車で出かけていったっけ。歩いてもたいした距離ではないのだが。

風連駅

 乗ろうと思っていた旭川行きの上り普通列車が来るのは1時間半後である。どうやって時間をつぶそうかと思っていたら、すぐに名寄行きの下り普通列車があることに気づいた。
「名寄までちょっと戻って、また市内散歩をするかあ」
 つかのまの行き当たりばったりの旅である。澄んだ空に秋風が心地よかった。

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コメント

それがあるんですぜ。
>日本でもっとも林業が盛んであり、かつ成功しつつある町だ。
ということで。
もちろん、他人から依頼された仕事ですが。

しっかし、下川やら風連やら、どんだけ渋いとこついてくるんですか。下川に仕事なんてありまへんがな(笑)

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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