名寄から旭川の車窓
名寄からは札幌方面に高速バスが日に何本か走っていて、そちらのほうが値段が安いこともわかったのだが、せっかくだから普通列車の旅を味わうことにした。
時間が許せば、反対方向の列車に乗って稚内まで行きたいのだが、そこをグッと我慢して旭川行きの客となる。1時間ほど前に風連から乗ってきた車両だ。
うれしいことに窓が開くので、気が向いたところで車窓の写真を撮ることにした。
まずは、名寄駅を出てすぐ、左側の車窓から見える名寄公園。ここに蒸気機関車2両と除雪車(ロータリー車)、車掌車が静態保存されていることは、ここに来る列車の窓から見ていた。
市街地とは反対側にあるので足を向ける時間がなく、車窓からの檄撮でお茶を濁した私である。なお、2両ある蒸気機関車のうち、先頭は9600形、後方はD51のようである。
次は瑞穂駅。板張りのホームは1両分しかない。国鉄時代は仮乗降場と呼ばれて、全国版時刻表に掲載されていなかったたぐいの駅である。こうした仮乗降場は北海道ならではのものだが、JRに転換すると同時に正式な駅に昇格している。
士別市内にある下士別駅。ここも普通列車しか停まらない小さな駅である。右手奥に見える小屋が待合室のようだ。
剣淵駅は特急こそ停まらないが、快速は停車する駅である。宗谷本線に並行して走る道央自動車道は、現在この駅の北東にある剣淵士別インターチェンジが北端となっている。
最後は塩狩駅。三浦綾子の小説「塩狩峠」で有名な峠は、この駅の北方にある。かつては、蒸気機関車が懸命に登った峠を、ディーゼルカーのキハ40形は軽快とは言わないまでも、それほど苦にしないで上り下りしている。
駅周辺はうっそうとした林になっていて、秋の木漏れ日が目にやさしい。ここには千数百本の桜の木が植えられており、「一目千本桜」という石碑も建てられていた。春には花見客で賑わうそうだ。
こうして1時間50分の普通列車の旅を楽しんだ後は、旭川から札幌まで特急に乗車。札幌市内で所用を済ませたのちに、鮨をたらふく食べて新千歳空港に向かったのであった。
« ネコにひかれて名寄めぐり | トップページ | 「キノコ採取禁止」と「魔女の蜂蜜」 »
「ニッポンぶらぶら歩き(東京、沖縄以外)」カテゴリの記事
- 高島屋史料館の「ジャッカ・ドフニ」展とゲンダーヌさんの思い出(2024.08.24)
- 夕刻に訪れた伊予長浜 瑞龍寺(2023.08.27)
- 予讃線(海線)に乗って伊予長浜へ(2023.08.14)
- 豪壮な家並みが残る内子の町(2023.08.08)
- 松山市内で乗り物三昧とぶらぶら散歩(2023.08.03)
「鉄道、乗り物」カテゴリの記事
- 夕暮れのロッサーノ・カラブロ(2024.08.26)
- 800体のしゃれこうべが眠る平和な保養地オートラント(2024.05.12)
- 尖塔そびえる静かな田舎町ソレート(2024.04.30)
- 陽光ふりそそぐガッリーポリ(2024.04.29)
- 明るく近代的に変身したバーリ駅(2024.02.13)
そう、いい感じだったので、窓を開けて写真を撮りはじめたんです。そうしたら、停まる駅、停まる駅、味があるんだなあ。
天気もよくて久しぶりに気持ちのいいローカル線の旅でした。
投稿: 駄菓子 | 2009-10-27 15:53
このホーム、どれも素敵!
投稿: 三個夏天 | 2009-10-26 20:34