« リグーリア山岳都市のネコ | トップページ | 大田区・梅屋敷商店街の夕暮れ »

2009-09-21

鎌倉散歩

 日曜日は昼ごろに東京の北部にある自宅を出て、ふらふらと鎌倉に出かけた。とくに目的があったわけではない。
 鎌倉に昼時に着いても大混雑だろうからと、横須賀線を北鎌倉で下車。以前歩いたひそやかな切り通しを抜けていこうと思ったのだが、道を間違えてしまい、図らずも山越えをしてしまった。

山越えの道から

 腹ごなしをして乗り込もうという心づもりが、腹ペコでたどりついた鎌倉である。それにしても、連休とあって鎌倉駅周辺は大混雑。江ノ電は入場規制をして「乗車待ち30分」というし、小町通りは人であふれている。
 それでも、2時近くなっていたので、なんとかメシにありつけて小町通りを散歩。古本屋を見るだけのつもりだったのだが、ある焼き物の展示が目に入ってしまった。

老梅焼のぐい呑み

 石川秀隆という方の焼く「老梅焼」作陶展とのことで、表から見えるところに素晴らしい急須が飾ってあるではないか。まあ、見るだけというつもりでふらふらと店に入る私。
 9万円という急須の値段に、「まあそのくらいはするだろうな」と思って、ここまで高いと迷う心配がないと安心して帰ろうとするのだが、老梅を思わせる表面のひび割れ方に後ろ髪を引かれてしまう。結局、急須は無理だったが、奥に飾ってあったぐい呑み(上の写真)を買った私であった。
 これからは、グラスになみなみと酒を注ぐんじゃなくて、このぐい呑みでちびちび飲むことにしよう。肝臓のためにも……。

 さて、入場規制の終わった江ノ電で長谷へ。大仏に向かう人の波に逆らって海側に向かう。ここから、隣駅の極楽寺までのささやかな峠越えが、お決まりの散歩コースである。さすがに、ここまで来るヒマ人は少ないようだ。

長谷あたり

 そして、いつものように極楽寺手前で喫茶店に入る。ここは、ガラス器や陶器などの骨董も展示販売していて目の保養にもなる素敵な店である。

極楽寺の喫茶店

 前にもブログで書いたが、コーヒーやオレンジジュースなどのほかに、マンゴージュースがある。鎌倉で骨董を眺めながらマンゴージュースというミスマッチが最高である。

鎌倉でマンゴージュース

 元気なときは極楽寺からさらに江ノ島方面に向かって歩くのだが、今回は山越えに峠越えまでしてしまったので、さすがにくたびれた。極楽寺から江ノ島まで江ノ電に乗車。
 この電車は、ご存じのとおり、腰越から江ノ島までは路面区間を走るのだが、今回はやけにスピードを出していたのが意外であった。

生しらす

 江ノ島に着いたら、都合のいいことに5時をまわって飲み屋も開いている。我ながら、まるで測ったようである。迷わずビールに生しらす。台風のために漁がなかったのではと心配したが、めでたく食することができた。通称赤サバ、本名ハチビキという魚の刺身も、生まれて初めて食べることができ、心から満足の散歩であった。
 江ノ島からは湘南モノレールで大船へ。車窓からは夕日をバックにした富士山が、くっきりと見えていた。めでたし、めでたし。
 あっ、乗り物の写真を撮るのを忘れた。

« リグーリア山岳都市のネコ | トップページ | 大田区・梅屋敷商店街の夕暮れ »

ニッポンぶらぶら歩き(東京、沖縄以外)」カテゴリの記事

コメント

minaさん、こんばんは!
minaさんも生しらす体験者なんですね。

ブログ記事では、うっかりこの味を書き記すのを忘れてしまいました。
……といっても文字にするのは難しいですよね。
ぬねっとしつつも、つるりとした舌触り。ほのかな苦みのなかに甘味が感じられて、生姜ポン酢によく合いました。

生しらす!!!

それだけはこっちでは食べられません。

数年前に江の島で食べました。
生が一番ですね。
かき揚げにしたら、パリパリ感を楽しむだけで味はないですものね。

美味しいですね。

いやあ、私の仕事の間が、たまたま世間の休みと合ってしまったもんで (^^;;
それでも、コースを工夫すれば大混雑は避けられることがわかりました。
ぜひ、鎌倉~和田塚、長谷~極楽寺~稲村ヶ崎あたりをぶらぶら歩いてみてください。
江ノ電で途中下車するならば、鎌倉高校前がおすすめです。

「混む」と「込む」なんですが、本来は「込む」が正当のようです。
このあたりを書くと長くなるのですが、「込む」という動詞は、補助動詞にもなるし、なかなかその意味や用法には奥深いものがあります。

「混む」はもともと当て字(とっても訓読みなんてすべて当て字ですが……)、音読みが「コン」であるところと、意味も近いところから慣用で使われてきました。
で、最近になって、正式に認められたと聞きました。誰が認めたのかは忘れましたが \(^o^)/

何で「混む」ことが判っている連休にお出かけですか?

私は秋も深まる週日に鎌倉散策をしたいと夢見て何年か過ぎてしまいましたが、
今年こそはやります。
駄菓子さんのブログで歩く順、訪ねる店等を見てから行きましょう。

それにしてもテレビを見ていると高速道路が「込んでいる」という字幕に良く出会いますが、
「混む」ではなく「込む」になったのでしょうか?

Pentaさん、こんばんは。
そんなわけで、今日じゃなくて昨日のことなんです (^^;;
今日も休みだったから、日曜日のような気分ですが。
たぶん、今日も江ノ電は入場規制していたことでしょう。

陶磁器とネクタイというのは、一目ぼれのようなものじゃないでしょうかね。「あっ」と感じたときは、もう買うしかないという感じ。買いそびれると、あとで後悔しがちです。もちろん、予算の限りではありますが。

もっとも、ネクタイはする機会がほとんどないので、最近は買っていませんけどね。

風さん、こんばんは。
今日じゃなくて、昨日の話なんです。ほら、冒頭に「日曜日」って強調してあるでしょ (^^;;
今日よりも暑かったですね。

スーパーで、質はいいんだけど売れない商品があるとき、そばに似たような品でもっと高いのを並べておくといいっていう話を聞いたことがあります。
そのへんもテクニックですね。

長谷~極楽寺は峠越えには違いないけど、神楽坂よりもゆるやかで短いくらいですよ。風さんにとっては、ほとんど平地。

鎌倉は一度行ったことがあります。

モノレールとか江ノ電に乗りましたが、今日は入場制限までしていたんですね。、夜のニュースでは高速道路の渋滞もひどいそうですね。

骨董品を見たり、買ったりするのも楽しみなんですね。(笑)

今日はお散歩日和でしたね。ぐい呑みの飲み心地はもう試しました? それとも、来年の正月用に大切にとっておくのかしら?

以前、あじさい寺の近くの和モノ屋に、和布で作った小物を置かせてもらったことがあります。

素敵な皿とか湯呑みが目について入ったけど、高くて買えない、と思った人が、「でも、何か欲しいな」と、ヒョイと横を見た時、手頃な値段が目に入るのか、よく売れました。

同じものを鶴見に置いても、100円ショップに行けば似たようなのがある、なんて言われて見向きもされないのに。

やはり、商売は場所が大切、ですね。

それにしても、峠越え、羨ましいです。歩きた〜い! 私は連休だってのに、針を片手に部屋にこもってます。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« リグーリア山岳都市のネコ | トップページ | 大田区・梅屋敷商店街の夕暮れ »

著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
無料ブログはココログ

.