鎌倉散歩
日曜日は昼ごろに東京の北部にある自宅を出て、ふらふらと鎌倉に出かけた。とくに目的があったわけではない。
鎌倉に昼時に着いても大混雑だろうからと、横須賀線を北鎌倉で下車。以前歩いたひそやかな切り通しを抜けていこうと思ったのだが、道を間違えてしまい、図らずも山越えをしてしまった。
腹ごなしをして乗り込もうという心づもりが、腹ペコでたどりついた鎌倉である。それにしても、連休とあって鎌倉駅周辺は大混雑。江ノ電は入場規制をして「乗車待ち30分」というし、小町通りは人であふれている。
それでも、2時近くなっていたので、なんとかメシにありつけて小町通りを散歩。古本屋を見るだけのつもりだったのだが、ある焼き物の展示が目に入ってしまった。
石川秀隆という方の焼く「老梅焼」作陶展とのことで、表から見えるところに素晴らしい急須が飾ってあるではないか。まあ、見るだけというつもりでふらふらと店に入る私。
9万円という急須の値段に、「まあそのくらいはするだろうな」と思って、ここまで高いと迷う心配がないと安心して帰ろうとするのだが、老梅を思わせる表面のひび割れ方に後ろ髪を引かれてしまう。結局、急須は無理だったが、奥に飾ってあったぐい呑み(上の写真)を買った私であった。
これからは、グラスになみなみと酒を注ぐんじゃなくて、このぐい呑みでちびちび飲むことにしよう。肝臓のためにも……。
さて、入場規制の終わった江ノ電で長谷へ。大仏に向かう人の波に逆らって海側に向かう。ここから、隣駅の極楽寺までのささやかな峠越えが、お決まりの散歩コースである。さすがに、ここまで来るヒマ人は少ないようだ。

そして、いつものように極楽寺手前で喫茶店に入る。ここは、ガラス器や陶器などの骨董も展示販売していて目の保養にもなる素敵な店である。

前にもブログで書いたが、コーヒーやオレンジジュースなどのほかに、マンゴージュースがある。鎌倉で骨董を眺めながらマンゴージュースというミスマッチが最高である。

元気なときは極楽寺からさらに江ノ島方面に向かって歩くのだが、今回は山越えに峠越えまでしてしまったので、さすがにくたびれた。極楽寺から江ノ島まで江ノ電に乗車。
この電車は、ご存じのとおり、腰越から江ノ島までは路面区間を走るのだが、今回はやけにスピードを出していたのが意外であった。

江ノ島に着いたら、都合のいいことに5時をまわって飲み屋も開いている。我ながら、まるで測ったようである。迷わずビールに生しらす。台風のために漁がなかったのではと心配したが、めでたく食することができた。通称赤サバ、本名ハチビキという魚の刺身も、生まれて初めて食べることができ、心から満足の散歩であった。
江ノ島からは湘南モノレールで大船へ。車窓からは夕日をバックにした富士山が、くっきりと見えていた。めでたし、めでたし。
あっ、乗り物の写真を撮るのを忘れた。
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