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2009-07-15

リビエラ海岸を走る便利な公共交通

 これほどまでに、西リグーリアの各地を短時間に巡ることができたのは、リビエラ海岸とその周辺を走るバスと鉄道に負うところが大きかった。とくにバスについては、リグーリア州全体にいえることだが、本数も多く使いやすくできている。

バスの車内からサンレモを望む

 リビエラ海岸を走るバスを運行しているのは、その名も リビエラ・トラスポルティ((Riviera Trasporti)。 日本風にいえば、「リビエラ運輸」あるいは「リビエラ交通」といったところか。
 サンレモのバスターミナルを中心にして、東はインペリア経由アンドラ行き、そしてタッジャ行き、西はヴェンティミッリャ行きのバスが、夏ダイヤで20~30分おきに発着している。しかも、朝は5時台から、夜中の1時過ぎまで走っているのだから驚く。

 便利でしかも運賃が安いから、乗客がとっても多い。地元の人はもちろん、観光客の利用もかなりのものであった。そして、インペリアやサンレモ、ヴェンティミッリャ周辺の山の中に向かうローカルバスも、そこそこ本数が出ているのがいい。サイトには全便の時刻表が出ているので、これから行く人は参考にしていただきたい。

インペリア・ポルト・マウリツィオ駅

 バスの切符は例によって原則としてバールで買うのだが、車内でも購入できるのが便利。車内で買うと値段がやや高いが、それほど問題ではない。200円区間が250円に、300円区間が400円になるくらいだから、急いでいるときや周辺に販売所がないときは飛び乗ったほうがいい。こうしたシステムは、フリウリ・ヴェネツィア=ジューリアでも見た。
 なお、別路線のバスに乗り換えるときは、新たに切符を買い直す必要がある。

サンレモ旧駅

 一方、鉄道はバスにくらべると本数はかなり少ないけれど、さすがにスピードは速い。時刻表を見て、狙いを定めて乗るようにするといいだろう。

 残念なのは、サンレモ駅前後のかなり長い区間が、最近になって新線に切り替えられてしまったことだ。線路が直線になってスピードは出すのだが、大半がトンネルになってしまって、車窓からせっかくのリビエラ海岸を眺めることができない。

 サンレモ駅も町はずれのトンネル内に移転してしまい、町中からのアクセスは不便になってしまった。かつてのサン・レーモ駅は上の写真にあるような立派な外観で、町の中心部にあるカジノのそばに残されている。

ヴェンティミッリャ駅

 バスの車窓からは、海岸沿いに走っていた鉄道の旧線の跡がよくわかる。すでに大部分が自転車用の道路に姿を変えていたが、まだ古い駅舎の残っているところもあった。
 イタリアには廃線跡を訪ねる趣味は流行っていないらしく、残念ながらカメラを持ってうろついている人間を目にすることはできなかった。

 最後の写真は、フランス国境の手前にあるヴェンティミッリャ駅。駅名表示板が、古いタイプのものである。
 一部の直通列車を除いて、フランス領内に行くときはここで乗り換え。中央に見える赤い車両が、フランス国鉄の電車。左右に見えるのがイタリア鉄道の客車である。

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コメント

Pentaさん、イタリア全体にいえることですが、鉄道の職員はバスのことをま~~~ったくわかっていません。そして、バスの社員は鉄道のことをま~~~たく知りません--というのが、20年以上イタリアを旅行してきた私の結論です (^^;;

というわけで、自力でやるしかないんですよね。
最近はネットでバスの時刻表も見られるようになったのが幸いです。

ジョバさん、わかっておりましたってばさ (^^;;
というわけで、今回からマルケです。
でも、アスコリ・ピチェーノとウルビーノ、リミニしか行ってないんですよね

ジョバさんの出発は月末だと思っていたら、連休明けなんですね。
私は、イタリアから帰ってきたときには、「当分イタリアには行かなくていい」と思っていたのに、1週間も過ぎたら「ああ、仕事をしたくない。またイタリアに行きたい」てな具合。
この病気、誰か治してくれる?

2000年のサンレモ音楽祭の2日前にミラノからサンレモまで列車で行く予定でしたが、列車はジェノバまででサンレモ方面はストの為に運行はありませんでした。

駅を出てすぐのところのインフォメーションで長距離バスはないかと聞いたのに、職員は分からないようで、結局、タクシーでサンレモまで向かわなければなりませんでした。(苦笑)

こんなにバスの路線は充実しているんですね。

駄菓子さん、こんばんは♪
リビエラ網羅バス、便利そう、さすがっ!ですね♪
車で回る旅にも利点はあるんですが
駄菓子さんの旅の足跡を読むと、私も以前のように、
たまには列車とバスを乗り継いで「歩く旅」をしなくっちゃ〜って思います。

出発するまでに、マルケの話にならないかな〜と思いつつ(勝手なヤツ(笑)
連休明けにイタリアへ行ってきます。
マルケと通りすがりのウンブリアと、温泉ヴィテルボ…と、また忙しい移動(^^ゞ
駄菓子さんなら私の趣味?!をわかっていただけると思うんだけど(笑)
もう一つの憧れ「ボマルツォの怪物公園」にも行ってくる「予定」です。
いや、予定じゃなくて行く〜(≧▽≦)/

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著書

  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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