リヴィエラ海岸に背を向けて3: 谷間を彩るかわいい町々
トリオーラ、アプリカーレといった山上都市はもちろん素晴らしいが、その途中に点在する町々もまた魅力的である。
アプリカーレへの道が分かれるイーゾラボーナ(Isolabona)、その数キロ下流に位置するドルチェアックア(Dolceacqua)もそんな町の一つ。どちらも人口は500人程度と思うが、まさに、谷間に咲く白百合のようなかわいらしい町だった。
上3枚の写真がイーゾラボーナ。「よい島」という意味だと思うが、川をはさんで小さな町が広がっている。イタリアのガイドブックにも載っていないような場所だけど、なかなかのんびりとした穏やかな雰囲気の町である。
川にかかる石橋を渡ると、石造りの家々が立ち並び、昼時ともあっておばさんたちがおしゃべりをしていた。
さらに進むと小さな広場があるところは、ほかのイタリアの町と同じ。ネコがぐったりと何の警戒心も示すことなく、広場に横になって寝ているのには驚いた。
広場からは放射状に何本もの通りがでている。
細い道を選んで歩いていると、やがて家々の下を通り抜ける通路となった。
薄暗い通路を右に左に曲がるうちに、いつのまにか川のほとりにたどりついたのであった。
そして、下の3枚の写真がドルチェアックア。「甘い水」「淡水」という意味だろう。
アプリカーレからサンレモ行きのバスに乗車して、ここで途中下車。1時間半後に別の町からやってくる次のバスに乗り換えた。
こちらは、多少観光地化されており、滞在中にたまたま観光バスが1台立ち寄っていた。
超空腹で町に到着した私は、バス停の目の前にあったテラスのレストランに脱兎のごとく駆け込んで、注文をこなしてから上の写真を撮った。
左に写り込んでいる青いバスが、アプリカーレから乗ってきた旧型バスである。
運転手のお兄さんがなかなか愛想のいい男で、2、3分の停車後に出て行くときも、テラスに座っている私をほうを向いて、手を挙げてにっこり微笑んでくれた。まあ、その一瞬は片手運転だったわけだが、そんなことを気にするイタリア人はいない。
前菜は、海の幸の盛り合わせを注文した。「こんな山の中で」と一瞬、自問自答したが、ここまで来ればリグーリア海岸まで30分ほどである。実際に、出てきたのは新鮮なものであった。昼間から白ワインがうまい。
調子に乗ってメインも頼んだのだが、何を食べたか思い出せない……。
結局、レストランにいたのは40分ほどだったが、その間に、あんなに晴れていた空は真っ暗になり、大粒の雨が降ってきた。傘をさして、すべりやすい石橋をわたり、旧市街を大急ぎで歩き回った私であった。
腹いっぱいで足どりも重く、頂上の城砦にはとうとうたどりつけなかった。
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コメント
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ジョバさん、こんにちは!
やっぱり山岳都市めぐりはやめられません。
トリオーラでは、1軒しかない土産物屋(でも品物は超充実)で、猪肉のサラミはもちろん、鹿肉100%のサラミも試食させてもらいました!
なんか、このあたりの町は石造りの太鼓橋が多いんですよ。
なかでも、このドルチェアックアのは見事で、接岸部にひねりが入っているんです……って、よく見えないか (^^;;
投稿: 駄菓子 | 2009-07-04 03:21
駄菓子さん、こんにちは♪
今回もシュテキな山岳都市を回ってきたんですね。
コアで通なその着眼点にはいつも感心してしまいマス♪
江ノ島チンクエテッレ(とってもわかります(笑)の後では、
静謐な山の風景が心に染みたのではないでしょうか。
ってか、この太鼓橋スゴイ〜!!中国みたい♪え?(笑)
投稿: ジョバ | 2009-07-03 16:40