リグーリア海岸の華: レーリチ
19日の朝、パルマ駅でアルプスの北側に向かうBo氏と別れ、私と妻はリグーリア海岸、チンクェテッレ(Cinqueterre)に向かった。
今では世界遺産に登録されてしまったチンクェテッレだが、まだ私は足を運んだことがなかった。しかも、ヴェネツィア、アマルフィ海岸と同様、男一人で行くにはちょっと寂しそうな感じである。そこで、妻と一緒の旅行を見計らって行くことに決めたのであった。

ところがである。日程に大きな落とし穴があった。当地に泊まるのが金曜日の晩。事前にネットで調べたチンクェテッレの宿は、ホテルからゲストルームまでどこも満員だった。
親切にも、別の宿を紹介してくれるところもあったが、そこもまた満員。前日か翌日なら空き部屋はあったのだが……。現地に行ってみてわかったが、週末は海水浴にやってくるイタリア人が多いのだ。
かといって、拠点となる大都市ラ・スペーツィア(La Spezia)に泊まるのもつまらない。というわけで、ラ・スペーツィアをはさんでチンクェテッレとは反対側にあるレーリチ(Lerici)に宿をとることにした。
レーリチの港からも、チンクェテッレを回遊する船が出航するらしい。
さて、パルマからは山越えのローカル線に乗ってサルザーナで下車。バスに乗り換えるのだが、バス停を見つけるまでが難儀であった。
駅前のインフォメーションが開いていなかったら、絶対にたどり着くのは不可能だっただろう。なにしろ、バスターミナルは駅から細い道を歩いて徒歩5分ほど。レーリチ行きのバスは、なんとそこからまた3分ほど歩いた、何の変哲もない交差点そばにあった。
こんなルートでレーリチに行く外国人観光客はほとんどいないのだろう。駅からは、英語はおろかイタリア語の看板も地図もなかった。

そして、肝心のレーリチなのだが、実に心地よい町であった。観光客で江ノ島状態になっているチンクェテッレと違い、落ち着いた感じの保養地という印象。
宿泊したホテル・エウローパが丘の上にあるために、階段路地をひいこら登らなければならなかったのは計算外だったが、ホテル正面で私たちを最敬礼で迎えてくれた支配人を見て疲れも半分ほど吹き飛んだ。
時刻は正午をまわったあたり。チンクェテッレを巡る午後の船は14時30分にレーリチ港を出航する。
« 暴飲暴食の始まり:パルマ | トップページ | チンクェテッレ: 5か所・札所巡り »
「イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事
- フェッラーラ エステ家の城とイタリア版うなぎパイ(2023.11.25)
- フェッラーラへの半日トリップ(2023.11.23)
- 広々とした広場が見事なフォルリ(2023.11.19)
- 南チロルからエミリア-ロマーニャへ移動(2023.11.15)
コメント