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2009-06-29

リヴィエラ海岸に背を向けて2: 壮麗な山岳都市アプリカーレ

 トリオーラの翌日も山岳都市巡礼。フランス国境の町、ヴェンティミッリャからバスで40分のイーゾラボーナ(Isolabona)。この町もなかなかよかったのだが、そこから徒歩で30分かけてやってきた、このアプリカーレ(Apricale)はご覧のとおりの素晴らしい姿の山岳都市である。

アプリカーレ遠景

 アプリカーレに直通するバスも日に何本かあるのだが、宿泊地のインペーリアから電車に乗るときに、うかつにもホームを間違えて反対方向に乗ってしまったため、そのバスに乗り遅れたのだ。
 3キロの山道を歩くことに迷ったが、意外とたいした登りでもなく、もちろん車道なので軽快に歩くことができた。おまけに、トップの写真を写せる場所を途中で見つけたので、結局これでいいのだ。

ペリナルドを遠く望む

 次の写真は,アプリカーレ間近なのだが、よく見るとバックの山の頂上に建物がたくさん建っているのが見えるだろう。今回は行くことができなかったが、ペリナルド(Perinaldo)である。沿岸のサンレモからバスが日に数本も走っているので、それほど不便ではない。

 それにしても、なぜこんなところに町をつくるのか、本当に不思議である。もっとも,そんな町があるから、わざわざやってくるのだが。

アプリカーレの外周道路

 こんな山奥のアプリカーレだが、道路も通じているから観光客もそこそこやってくる。町の外周にはこのような道路があって、町の裏側には小さな駐車場があってレストランも2、3軒。フランス人やイタリア人が食事をしていた。
 まあ、バスでやってくる……いや、隣町から歩いてやってくる東洋人は年に1人いるかいないかだろうが。

アプリカーレ中心部

 それでも、町の中央部は車が入れない細い道がうねうねと続いている。そんななかを、カメラの入ったショルダーバッグを抱えて、ひいこらと上がっていくのは登山気分である。
 いや、よく考えたら、町がなければここは立派な山である。きのうに引き続いて結構な山登りをしたことになる。
 せめてもの慰めは、両側に建物が立て込んでいるので直射日光があたらず、湿度も低いので日陰が涼やかであることか。

 上の写真は、町なかにあるレストラン。自然と隠れ家風になっている。実は、この店がこの町で一番うまいんだそうだ。

アプリカーレ中心の広場

 そうしてたどりついたのが、この広場。教会に面した広場には、バールが2軒あった。駐車場付近のレストランを除けば、この町のまさに中心である。
 まだまだ上には家が建っていたので、アタックしてみたが……。途中までは行ったものの、頂上への道にたどりつけず。やむなくキャンプ地(この広場のこと)まで下山してバールにビバーク。冷たいものを飲んで再アタックしようとしたが、泣く泣く断念した。まさに登山である。

 こうして、このまちに滞在すること約2時間。帰りのバスは定刻にやってきた。帰りにも、別の町に立ち寄ったのだが、それは次回に。

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

POOh!さん、こんにちは。
南に行っていることは耳に入っていましたよ (^^;;
でも、今回は中東部・北西部に行く用件があったので、南まで足を伸ばすことができませんでした。
温泉かあ~。
塵労でたまった垢や汗を流したい……。

アトムズさん、アプリカーレは「小さな村の物語」で取り上げられていたんですか?
先を越されてしまいましたね。
でも、行こうと思えば、それほど不便なところではないんですよ。
国境を越えたニースの空港を使うと便利かも。

gatticelliさん、こんにちは。
そのうち書こうと思っていたのですが、リグーリアは東部、西部を問わず、バス網がかなり発達している印象です。
インペーリア~サンレモ~ヴェンティミッリャの海岸沿いは、鉄道時刻表だけを見ていると行き来が不便なようですが、なんとバスが15~20分おき(休日でも30分おき)に発着しています!

駄菓子さん、こんにちは!
う〜ん、今、まさにイタリアに滞在中、ですよね。

私は相変わらず南ですが。今はFoggiaの西側、山奥の温泉からです。
同じ山奥でも、こんな絶景ではありませんが。
ただ遠くGargano半島がいつでも見えるところに満足してます。

明日はこちらを発って、Abruzzoに向かいます。

 アプリカーレって聞いたことあるなあと思ったら、BS日テレの「小さな村の物語 イタリア」で見て、心に残った町でした。この番組、行ってみたい町ばかりなのですが、簡単に行けない町ばかりなんです。そんな町をたくさん訪ねていらっしゃる駄菓子さん、羨ましいです。

こんにちは、駄菓子さん。gatticelliです。
イタリアを満喫されているご様子、ウラヤマシイ…。
山肌にびっしりと張りついた家並みがすばらしいアプリカーレ(まるでイタリア語の動詞みたいな名前だなぁ…と)。
隣町から歩くと言う決断の甲斐ありの写真が撮れましたね。
リグーリア州にもこんな場所が沢山あるなんて。イタリアは奥が深い…!
不便な場所かと思えば、意外にもバス網は発達しているのでしょうか?
引き続き、山岳都市巡礼を楽しまれますように!

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著書

  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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