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2009-05-21

イタリア・トリカーリコのネコとロバ

 長年の疲労が蓄積したか、はたまた連休の不摂生がたたったか、10年ぶりに医者にかかるハメになってしまった(歯科医を除く)。ここ20年でも、インフルエンザが2回、食あたりが1回、風邪による腹痛が1回の計4回のみだったのに、今回は治るまでに3回も通ってしまった。
 久しぶりなもので、最近急速に進んだ医薬分業にも慣れておらず、医院の受付で無知な質問をしてしまったのも恥ずかしい。

トリカーリコのネコ

 そんなわけで、たいして外出もせず、せいぜいうちの近所を散歩していた2週間であった。その間に、下界ではいろいろな事件や騒動が起きているものだ、と感じる今日この頃である。

 外出をしないのでたいしたブログのネタもない。とはいえ、放置したままでは寂しいので、手持ちの未発表写真を公開してみようと思い立った。

トリカーリコのネコ

 鉄道のネタにしようか、ネコのネタにしようか迷ったが、もう見ればわかるようにネコにした。
 南イタリア、バジリカータ州の町 トリカーリコ に棲息するネコである。2002年に訪問した町で、そのときの様子は、上のリンクをクリックすると私がつくったホームページが表示されるので見ていただきたい。

トリカーリコのネコ

 かつてはアラブの支配下に置かれたこともあり、旧市街はカスバのように路地が入り組んでいる。車も入ってこないので、ネコにとっては天国のようなところなのである。
 ところで、イタリアに行くと、上の写真のようにクルマの車体の下、それもタイヤのすぐそばで日射しを避けているネコをよく見かけるのだが、これで車に轢かれないものなのか。少し心配である。

 ちなみに、この赤いクルマの名前を見ると、フィアットの「Tempra」というプレートがついている。アクセントが語頭にあるとはいえ、「テンプラ」かあ……。
 イタリア語の辞書を見ると、「(金属の)焼き入れ」「筋金入り」といった訳語がついていた。イタリア人にはいい語感なのかもしれないけれど、日本じゃこのままの名前じゃ売れないであろう。

トリカーリコのロバ

 最後の写真は、生き物つながりでロバである。
 ぶらぶらと散歩していたら、ロバに乗った老人が目の前を横切って行った。今や、イタリアでも田舎の奥地でさえ見かけないロバであるが、小さいとはいえ街中の舗装道路の上を歩いていたのには驚いた。
 野良仕事の帰りなのだろうか。それとも道楽?

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コメント

gatticelliさん、こんにちは。
じゃあ、これからも、ネタがないときはイタリアとネコで行こうかな。
私もプローチダには行きましたが、ネコには出会わなかったなあ。まあ、暑い昼間だったのと、船が着いてからすぐに山のほうに行ってしまったからかも。

ネコがトマトソースを食べると、食後は顔がソースでべったり! ということになるんでしょうか。あんまりフォトジェニックじゃないかも (^^;;

テンプラは、今回じっと写真を見て知りました。そんな名前の車もあったんですね。
日本でもたまに古いパンダやチンクェチェントを見かけますが、日本車に慣れていると、さぞかし乗りこなすのは大変でしょうね。

駄菓子さん、こんにちは。
猫とイタリア♪おいしいネタです。
トリカーリコの記事も拝見しました。散策してみたくなる旧市街の雰囲気が、黒猫の写真からヒシヒシと…。迷路のような小さな路地にも、デザインのヒントがたくさん隠れていることでしょう。
私が、いちどきに最も沢山の猫を見かけたのは、プローチダ島だったかも知れません(漁港だから当然か)。イタリアでは、残りもののパスタをパクつく猫たちを時々見かけますが、トマトソースを食べる猫に、最初は違和感を。…でも我が家の和猫もオリーブオイル好きなので、何となくわかるような気も。
筋金入りのテンプラに、思わず笑い。昔気質の頑固オヤジみたいなクルマなのでしょうか?フィアットと言えば、私は古いタイプのパンダ、あの直線的なデザインが大好きです。

塩野七生さんの本は敬して遠ざけていたのですが、『ローマ亡き後の地中海世界』はタイトルに興味を覚えておりました。
そうした内容ならば読んでみようかな。

ネコ写真ですが、自分で言うのもなんですが、やはりポジはきれいですね。フィルムスキャナや画像編集ソフトでの調整が難しいのですが、白やグレーがきれいに出ると感激です。

医薬分業は、そんなところに起源があったんですか。
実は、帯状疱疹を患っておりました。どう考えても不摂生が原因ですが。幸い軽症だったので、なんとか元気になりました。

いつもながら秀逸なネコ写真、ありがとうございます。

先日、塩野七生『ローマ亡き後の地中海世界』(上)を読んで、はじめて、イタリア半島部に、トリカーリコのようなアラブ人の支配する街が点在していた事情がよくわかりました。
トリカーリコは、交通が不便で、マテーラに行く度に訪問候補地になりながら、一度も行けてません。行っておくべきだったと、歯ぎしりしてます。

そういえば、アラブ式の「医薬分業」をヨーロッパにもたらした元祖が、FedericoⅡだったそうですね。ま、どうでもいい豆知識ですが。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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