山陰本線・浜坂駅の情景
行きは京都から餘部までワゴン車で3時間半の移動。用件が済んだのち、また同じコースで帰るのもつらいので、わがままを言って、一人鳥取に向かうことにした。
今、関西から鳥取に鉄道で行くには、山陽本線から智頭急行経由で行く「スーパーはくと」がメインルートになったため、このあたりの山陰本線はすっかり裏街道となってしまった。
城崎温泉-鳥取は本数も少なく、特急列車も数えるほど。とくに、城崎温泉-浜坂は1~2時間に一本の普通列車と日に2往復の特急が走るのみである。
そして、餘部から鳥取に行こうとすると、普通列車はすべて浜坂乗り換え。これというのも、餘部鉄橋が強風で不通になったときの車両運用を考えての措置なのだろうか。
さて、その乗換駅の浜坂である。前回に立ち寄ったときにも感じたのだが、この駅がなんとも風情がある。
二昔前くらいまでは、何の変哲もない駅だったかもしれないけれど、今となっては貴重な存在である。
どことなくゆとりがあって、陰影が感じられるのだ。
構内の端には蒸気機関車時代から残っていると思われる煉瓦づくりの給水塔。そしてホームには、今では珍しいパタパタ式の行き先表示が備えつけてあった。
こんな駅ならば、乗り換え時間が30分近くあっても飽きない。といっても、沿線の利用客にとってみれば、そんなに乗り換え時間がたっぷりとってあるのは、迷惑このうえないだろうが。
もっとも、夕方にもかかわらず、ここで乗り換えた乗客は私を除いて一人のみであった。
普通列車に乗って鳥取まで1時間。暗くなる前に鳥取駅に着くことができた。
それにしても、びっくりしたのは鳥取の1つ前の駅まで、車窓の風景がまるで山の中であったこと。これで、本当に次が県庁所在地なのかと心配したが、やがて建物が立て込んできて、ビルやホテルも見えてきた。
« 餘部鉄橋の今 | トップページ | 特急「スーパーはくと」で鳥取から上郡へ »
「ニッポンぶらぶら歩き(東京、沖縄以外)」カテゴリの記事
- 高島屋史料館の「ジャッカ・ドフニ」展とゲンダーヌさんの思い出(2024.08.24)
- 夕刻に訪れた伊予長浜 瑞龍寺(2023.08.27)
- 予讃線(海線)に乗って伊予長浜へ(2023.08.14)
- 豪壮な家並みが残る内子の町(2023.08.08)
- 松山市内で乗り物三昧とぶらぶら散歩(2023.08.03)
「鉄道、乗り物」カテゴリの記事
- 夕暮れのロッサーノ・カラブロ(2024.08.26)
- 800体のしゃれこうべが眠る平和な保養地オートラント(2024.05.12)
- 尖塔そびえる静かな田舎町ソレート(2024.04.30)
- 陽光ふりそそぐガッリーポリ(2024.04.29)
- 明るく近代的に変身したバーリ駅(2024.02.13)
コメント