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2009-03-12

佐賀の「くど造り」と「じょうご造り」

 長崎から特急博多行きで1時間。肥前鹿島で降りた客は私一人であった。長崎の町をもう少し見たいという同行のD氏とは、帰りの福岡空港で待ち合わせることにした。
 私がここで降りたのは、佐賀平野に残る茅葺き屋根の民家を見ようと思ったからである。

三河内の集落

 ただの茅葺きではない。このあたりは、くど造り、じょうご造りと呼ばれる独特な構造の民家で知られている。
 通常の民家といえば、当然ながら長方形をしているのだが、2棟が直角に連なって「L」字型になると、北関東や東北地方で有名な「曲がり屋」になる。

三河内のくど造り

 ところが、佐賀の「くど造り」は、さらに1棟が加わって、「凹」字型になっているのである。それが、上の写真の民家だ。
 肥前鹿島駅前のバスターミナルから2時間に1本ほどのバスに乗って約30分。やってきたのは三河内(みかわち)という集落である。だが、すでに屋根をブルーシートで覆った家も2、3軒ほど見られ、くど造りはおろか、茅葺きの家自体が風前の灯火であった。

鎮守さま

 数軒の家を撮って、さあ帰りのバスまで20分ほど、ゆっくりと待つか……と思って、はるかかなたにある隣の集落を見やると、左右とも視力1.0の私の眼に、なにやら茅葺きらしき民家がうっすらと映る。
「うーん、これを見逃して帰るのは心残りだ!」
 そう思い、バスがやってくる方向に向かって歩きだした。15分弱くらいで着くだろうという計算である。
 そうして見つけたのが、下のくど造りの民家だ。

くど造り

 佐賀には、くど造りのさらに発展形がある。凹型の最後の1辺にも棟を渡してしまった「じょうご造り」だ。つまり、上から見ると屋根が「回」の字の形になっているわけだ。
 なぜ「じょうご」かといえば、降った雨が中央に落ち、その様子がじょうごのように見えるからだろう。だから、雨水を排水する工夫が大変なんだとか。
 そんな不便なことをしなくても、全体を大屋根で覆えばよさそうなものだが、それが歴史であって伝統というものなのである。たぶん、家を新築するときも、それ以外の作り方は思いもよらないのだろう。

 だが、じょうご造りの家を見分けるのは難しい。横から見ると、普通の茅葺きの家と区別がつかないからである。真上から見ない限り、それとはわからない。あえていえば、大規模で正方形に近い茅葺きの家というポイントだろうか。

じょうご造りらしき民家

 たどり着いた集落の一番奥に、それらしき家が見えた。だが、そこまで行っているとバスに間にあわない。次のバスは2時間後である。
 涙を飲んで接近をあきらめ、ズームでバス道路から撮影するにとどめることにした。

 掘っ建て小屋のようなバス停で待っていると、やがて、おばあさん2人を乗せたマイクロバスがやってきた。

 というわけで、たった3泊4日の九州旅行を長々と引き延ばしてしまったが、これでひとまずおしまい。書きたいことはまだまだあるけれど、またの機会に。

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コメント

メルクルさん、ごぶさたです。
お母さんのルーツが佐賀なんですか。
地味な印象ですが、見れば見るほど興味深い土地ですね。
長崎本線が海辺に沿って走る風景もなかなかでした。

大屋ましさん、ありがとうございます。
次回は、じょうご造りの民家にぜひおじゃまして、中を見たいと思っています。それと、じょうご造りの家を真上から見ることができる場所を探さなくては……。

おひさしぶり~ 佐賀の古い民家の 貴重な写真拝見しました。

バスの便が 少ないと ひやひやものですね^^;佐賀は 母方の故郷で 
なんだか とても懐しかったです。〔佐賀県知事を長年努めて)

でも このような 家作りがあったとは 全然知りませんでした!
これを機会に 少し 佐賀について 焼き物以外あまり 興味がなかったのですが 
いろいろ 調べてみたいなと 思います。 ”ルーツ再発見へ” 有難う♪

thunder凄い旅行でしたね。伝統を保存することが難しくても、写真で記録しておくことは貴重と思います。駄菓子さんに敬意。(v^ー゜)ヤッタネ!!

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