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2009-03-07

長崎の坂道歩き

 長崎の駅を降りて驚くのは、丘の上にびっしりと立て込んでいる家、家、家。
 日本のなかで、これほどイタリアの丘上都市と似ている町はない。長崎は地盤が固いのだろうか。さもなければ、これだけ雨の降るところだから、山崩れで家が流されてしまう。

長崎の丘

 そして、丘の上の町が多いから、坂道や階段も多い。4年前の訪問では、車の通れないそんな道がたくさんあることを知って、「次回はもっと坂道・階段めぐりを楽しもう」と思ったのであった。
 だが、今回も長崎で用件を済ましているうちに、残念ながら時間がなくなってしまった。

丘のふもとの家並み

 なにしろ、むやみに階段を上っていくと、行き止まりになってしまうのだ。時間をかけて計画的に歩かないと、丘を乗り越えることはできない。今回も丘の征服は断念して、前回歩いて感動を覚えた道を、同行者D氏とともにたどることにした。

階段の道

 というわけで、今回は4年前に撮った写真をまじえて紹介することにしよう。
 場所は、路面電車の走る国道206号線から少し入ったところ。松山町電停で下車して丘のふもとに歩いていった。
 丘のへりをアップダウンを繰り返しながら、うねうねと続く道筋。同行者も感激の様子であった。

 せいぜい15分の坂歩きが終わって広い道に出ると、そこに「浦上街道」という立て札。
「もしや、これが名高い浦上街道?」
 どこからどこまでが街道だったのかわからないが、嗅覚がきいていつのまにか旧街道歩きをしていたようだ。

坂道

 確かに、よく考えれば、国道や駅のあたりは江戸時代ころまでは海か、せいぜい海岸線だったのだろう。
 そして、昔は自動車を通す必要がないから、広い道にすることもない。
 現代人の目から見ると狭くて不便に見える道も、かつては重要な街道であったに違いない。

坂道

「これは、我ながらなかなかいい発見だったぞ」
 そう考えることにして、丘上征服できなかった悔しさをまぎらそうとする私であった。

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ニッポンぶらぶら歩き(東京、沖縄以外)」カテゴリの記事

コメント

gatticelliさん、お返事遅くなってすみません。
やっぱり、イタリア好きにとって長崎は欠かせないところですね。
アブルッツォ、あのときには行けなかったんですか。

でも、なんと今回の地震でラークイラがあんなことになって驚いています。
ラークイラ以外となると、どんな様子なんでしょうね。
今回の地震は震源が浅いというので、距離の離れたスルモーナはそれほど大きな被害はないような気もしますが……。

1年くらい前(おそらく)にお邪魔しました。
イタリアと丘上都市と猫大好きな九州人gatticelliです。
長崎は坂道・階段・路地マニアには、街歩きの宝庫かも知れません。
昨年は長崎とアブルッツオ州遠征を企てていたのですが、愛猫ミラノの闘病により挫折…。
今年こそはと、今月12日にスルモーナ~スカンノ方面へ旅立ちます。
パチェントロにも辿りつけたら…と。
スカンノのチェントロにあるホテルが、ことごとく音信不通(?)で。
思いのほか難航しています。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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