長崎の坂道歩き
長崎の駅を降りて驚くのは、丘の上にびっしりと立て込んでいる家、家、家。
日本のなかで、これほどイタリアの丘上都市と似ている町はない。長崎は地盤が固いのだろうか。さもなければ、これだけ雨の降るところだから、山崩れで家が流されてしまう。

そして、丘の上の町が多いから、坂道や階段も多い。4年前の訪問では、車の通れないそんな道がたくさんあることを知って、「次回はもっと坂道・階段めぐりを楽しもう」と思ったのであった。
だが、今回も長崎で用件を済ましているうちに、残念ながら時間がなくなってしまった。
なにしろ、むやみに階段を上っていくと、行き止まりになってしまうのだ。時間をかけて計画的に歩かないと、丘を乗り越えることはできない。今回も丘の征服は断念して、前回歩いて感動を覚えた道を、同行者D氏とともにたどることにした。
というわけで、今回は4年前に撮った写真をまじえて紹介することにしよう。
場所は、路面電車の走る国道206号線から少し入ったところ。松山町電停で下車して丘のふもとに歩いていった。
丘のへりをアップダウンを繰り返しながら、うねうねと続く道筋。同行者も感激の様子であった。
せいぜい15分の坂歩きが終わって広い道に出ると、そこに「浦上街道」という立て札。
「もしや、これが名高い浦上街道?」
どこからどこまでが街道だったのかわからないが、嗅覚がきいていつのまにか旧街道歩きをしていたようだ。

確かに、よく考えれば、国道や駅のあたりは江戸時代ころまでは海か、せいぜい海岸線だったのだろう。
そして、昔は自動車を通す必要がないから、広い道にすることもない。
現代人の目から見ると狭くて不便に見える道も、かつては重要な街道であったに違いない。

「これは、我ながらなかなかいい発見だったぞ」
そう考えることにして、丘上征服できなかった悔しさをまぎらそうとする私であった。
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gatticelliさん、お返事遅くなってすみません。
やっぱり、イタリア好きにとって長崎は欠かせないところですね。
アブルッツォ、あのときには行けなかったんですか。
でも、なんと今回の地震でラークイラがあんなことになって驚いています。
ラークイラ以外となると、どんな様子なんでしょうね。
今回の地震は震源が浅いというので、距離の離れたスルモーナはそれほど大きな被害はないような気もしますが……。
投稿: 駄菓子 | 2009-04-08 13:30
1年くらい前(おそらく)にお邪魔しました。
イタリアと丘上都市と猫大好きな九州人gatticelliです。
長崎は坂道・階段・路地マニアには、街歩きの宝庫かも知れません。
昨年は長崎とアブルッツオ州遠征を企てていたのですが、愛猫ミラノの闘病により挫折…。
今年こそはと、今月12日にスルモーナ~スカンノ方面へ旅立ちます。
パチェントロにも辿りつけたら…と。
スカンノのチェントロにあるホテルが、ことごとく音信不通(?)で。
思いのほか難航しています。
投稿: gatticelli | 2009-04-05 12:44