チンクエチェントのカラーバリエーション
今回の旅において、チンクエチェントはまずまずの豊作であったといえよう。
ちなみに、チンクエチェントとは、フィアット社の500(イタリア語でチンクエチェント)という小さな車の名前である。
全般的に車体の色は白が多いのだが、今回はさまざまな色のチンクエチェントを写すことができたのは、この上ない喜びである。
最初の写真は、旅先からのブログでも紹介したサッサリの旧市街。鮮やかな青のチンクエチェントは、たぶん青いバラほどではないが、かなり珍しいと思う。
写真を撮っていたら、やってきたのがこの男性。この家の住人であり、かつまたこの車の持ち主のようである。
自分の車を撮っているおかしな東洋人がいるぞ、と思ったに違いない。なにしろ、このときは妻も義母もいた。
私は不審者に間違えられないように(とっくに不審者だが)、とっさに叫んだ。
「きれいなチンクエチェントですね!」
すると、かの男性はこちらを見て、にっこり笑って手を挙げてくれた。
さて次は、アグローポリの新市街で見た、渋い赤のチンクエチェント2台である。

じつは、この2台、10数メートルをへだてて狭い通りの同じ側に駐車していた。
残念ながら、あいだにほかの車が停まっていたので、同じフレームに入れて撮ることができなかった。
正面のバンパーがちょっと違うが、色も同じこの2台。どんないわれがあるのか、はたまたないのか。興味深いところである……?
次のチンクエチェントは、サッサリの新市街で見たチャコールグレーの1台。
これほど濃いグレーというのもあまり見ない色である。写真にするとなかなか再現が難しい。

これもまた、わざわざ通りの中央分離帯から撮っていたら、正面の店から出てきたおじさんに見つかった。
「この車が好きなのかい?」
ありゃ、また所有者に鉢合わせしたか……と思って、「ええ、チンクエチェントが大好きで」と答えた私。
だが、その人は車に乗り込むのでもなく、そのまま去っていってしまった。
単なるおせっかいな通行人だった。
最後は、レッチェで見た赤いチンクエチェント。アグローポリのものよりも、かなり鮮やかな赤である。
正面からも撮ったが、この後ろからのアングルもまたよろしい。

というわけで、今回は走行写真を撮ることはできなかったが、それなりに収穫はあった。
別に、チンクエチェントを撮るのが目的ではないので、これで十分であろう。
ところで、あちこちのブログを拝見すると、この「チンクエチェント」のことを「チンクエ」あるいは「チンクェ」と略している方が少なくない。
まあ、他人がなんと呼ぼうが構わないが、チンクエチェントだから500なのであって、チンクエでは5になってしまう。スバル360のことをスバル3と呼ばないように、チンクエだけではどうも寂しいのである。
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