崖の上のカステルサルド
ボーザからマコメール(Macomer)を経由して、サルデーニャ第2の都市サッサリ(Sassari)へ着いたときには、とっぷりと日は暮れていた。
サッサリは、18年前に訪れた印象深い町で、ここに2泊する。
翌23日が日曜日であることに気づいたのは、旅行がはじまってから。その日に北海岸の町、カステルサルド(Castelsardo)訪問を予定していたので、ツアコンとしてはいたくあせったが、日曜日にもサッサリからバスの便が3往復あったのは幸いだった。
「サルデーニャの城」という名を持つカステルサルドは、トップの写真にあるように、海辺に突き出した崖の上の町である。
崖上にはジェノバ人が築いたという城砦があり、その下に旧市街が広がっている……と思っていたら、行ってビックリ。
なんと、本物の旧市街は、城砦のそのまた内側にあるのだ。
しかも、そこにはカラフルな家や味わい深い教会があり、今も多くの人が住んでいる。
前もって情報を仕入れすぎずに、現地に行って驚くというのもいい体験である。
きつい階段をひいこら上って、ようやく城砦にたどり着いた義母は、足をさすりながらもご満足の様子であった。
それにしても、さっきまで晴れていたと思ったら、あっというまに真っ黒な雲に覆われる。波も、まるで台風が近づいているかのように、白波を立てて打ち寄せてくる。
ふもとの町にある土産物屋は9割がた閉まっていたが、その数の多さと、海岸点在するホテルを見ると、夏のシーズンにはさぞ観光客で賑わうのだろう。いまどき、こんなところにやってくる東洋人が悪いのである。
まあ、おかげでホテル代は安いし、道は空いているけどね。
それにしても、町なかのバールはもちろん、しゃれたホテルの1階にあるバールも、やはり昼前は、地元の親父連中に占領されていたのがおかしかった。
« カラフルな家並みの丘上都市・ボーザ | トップページ | どこか心ひかれる旧市街:サッサリ »
「イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事
- 夕暮れのロッサーノ・カラブロ(2024.08.26)
- ビザンティンの残り香 丘上の町ロッサーノ・カラブロ(2024.08.25)
- 800体のしゃれこうべが眠る平和な保養地オートラント(2024.05.12)
- 尖塔そびえる静かな田舎町ソレート(2024.04.30)
- 陽光ふりそそぐガッリーポリ(2024.04.29)
そうそう、ヨーコさん。
私も、旧市街歩きのときは、前後左右、常に観察をおこたらずに、きょろきょろしています。
ときには、水が垂れてきたり、犬のフンが落ちていたりするので、上下も注意していなくてはなりませんし。
投稿: 駄菓子 | 2008-12-01 05:51
1枚目の街の全景写真の鈍いカラフルなカラーグラデーション、大好きなんですよ。
初めてプロチダで降船したときのことを思い出しました。
驚いたことに、旧市街は城砦のそのまた内側にあるなんて。
2枚目の写真を撮影するために、駄菓子さんが立たれていた場所、いい場所ですねぇ。
私は旅で普通に歩いていて、突然立ち止まり振り返って後ろを見たり、路地を見たりします。
そんな時、2枚目の様なアングルに出会うと、もう本当に嬉しくてはしゃいでしまいます。
投稿: ヨーコ | 2008-11-30 19:30