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2008-11-24

カラフルな家並みの丘上都市・ボーザ

 21日はアルゲーロからバスで南下して海辺の町ボーザ(Bosa)へ。海岸の道を快適に1時間……と思っていたら、乗ったバスは1時間半かかる山の町経由。いやというほどのカーブを曲がり、眺めのいい山道を行って、一同しばし喜んでたのはいいのだが、義母がひどい車酔いをしてダウン。

丘上都市ボーザ

 もうとっぷりと日の暮れたザネッティ広場(バス終点)で途方にくれてしまったが、広場の隅のバールに避難して、ホテルに電話。なんとかタクシーを手配してホテルに到着できた。

 親類縁者の読者が心配するといけないので、最初は詳しく書かなかったが、じつは歩くのも大儀な様子だった。
「もう、本当に死ぬかと思ったわ。ブログにもそう書いとってちょ」とのちに義母は述懐する。

 そもそも、今回のツアコン旅行ではボーザが一番案じていた町である。アルゲーロやサッサリは来たことがあるが、ボーザは初めて。ホテルは予約しておいたが、イタリア語のガイドブックにも地図が載っていない。
 町の大きさや飲食店の見当がつかなくて、ツアコンとしては心もとない限りであった。

ボーザ旧市街

 それでも、翌日の昼過ぎまで町めぐりをしたボーザの町は、意外なほどに居心地がいいところだった。
 なんといっても、見どころは上の写真の旧市街。カラフルな家々が、丘の周囲にびっしりと立ち並んでいる。そのふもとには、味わい深い道の両側に、古ぼけたバールや商店が立ち並んでいた。

 夏のバカンスシーズンには、海辺に広がるボーザ・マリーナの町を中心に、客がずいぶん集まるのだろう。
 だが、11月の末、しかも台風並みの強風のなか、わざわざこんな町を訪れている旅行者はほとんどいなかった。

 翌日、バス終点までタクシーを頼もうとしたところ、ホテルの若い者が乗せていってくれた。しかも、お金は受け取ろうとしない。
 時間まで、前日とは違うバールでサルデーニャ産のビールを飲みながら待っていると、30代半ばと見える小太りの主人がやってきて、素敵なビールのグラスをプレゼントしてくれるという。

ボーザの丘上

 やはり、曲がりなりにも女性同伴で来るものである。日本びいきという主人に対して、義母が「私にもグラスをもう1つちょうだい」という。もちろん訳したのは私である。
 そんな無理なお願いにも嫌な顔一つしないで、新聞紙に包んだグラスを2つくれたのであった。
 どう考えてもビール代より高いのだが、まあいいか。

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

minaさん、こんにちは
イタリアじゅうで、きのうまでは風がとんでもないほど強くて寒かったけど、きょうは少なくとも私がいるところは晴れて穏やかでした。
minaさんもぜひサルデーニャへどうぞ。同行者によれば、シチリアよりメシがうまいという説も。

ikeさん、日本時間でおはようございます。
サルデーニャはいいところです。北西部しかいませんでしたが、旅行者の受け入れ態勢は整っていますし、海の幸はうまいし、人は親切です。
本当は島の中央部の伝統的な地区に行きたかったのですが、そのあたりは雪が積もって寒そうなので、本土に舞い戻ってきました。
場所は……お楽しみに。

ヨーコさん、イタリア時間でこんばんは
ビールグラスは2つあって、誰が見てもいいほうを義母が持って帰りました……。その形のは1つしかないんだそうで。
ツアコンから解放されたので、あとは疲れがとれたらブログを毎日書きますね。

わあ・・・いいなあ。
サルデニア、まだ行ったことないです。
いいなあ・・いいなあ・・
やっぱり日本のMODICAよりも本物のイタリアですよね。

> 義母が「私にもグラスをもう1つちょうだい」という。

ツアコン、お疲れ様です(笑)。
次回はサルディーニャといつも思いつつ、結局行けてませんが、最後の写真をみて、かなり気持ちが動かされました。

夏に続いてイタリアとは、何と羨ましい!
『サルディーニャ』は未踏の地です。
駄菓子さんの旅行記を拝読していると、本当にどこもかしこも行きたくなって困ります(笑
ビールグラス2本ですかぁ、いいですねぇ。
本当に女性は得だと思います。
私と女の友人も、スパッカナポリの或るトラットリアで、リモンチェッログラスを5本づつ頂きました。
「このグラスだといくらでも呑めますね~。」と言っただけなのに。
今でも我が家にありますが、日本で活躍することは殆ど無いのが残念。

サルディーニャといえば、ここ1ヶ月くらい、『小さな村の物語』で3話連続で舞台となっています。
全て観ていますが、いいなぁ、行きたいなぁ・・・と思っていたところに、このブログ。
http://www.bs4.jp/document/italy/onair/index.html

これからも、ブログ楽しみにしています。
お気を付けて楽しい旅を!
Buon Viaggio!!


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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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