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2008-09-29

京都:保津川下り

 翌日が連休の最終日ともあって、夕暮れの京都は大変な人出であった。
 ぶらぶらと市内を散歩したのちは、四条川端の「うずら屋」で鳥の刺身や野菜の焼物に舌鼓を打ち、六角通河原町のイタリアワイン専門(!)のワインバー「ロスコ」でワインを楽しく、しかししこたま飲んでいたら、午前2時半。いつのまに時間がたったのか不思議である。

ワインバー・ロスコ

 翌日は、名古屋からやって来た義母をまじえ、嵯峨野観光鉄道(いわゆるトロッコ列車)と保津川下りというコースである。私と妻は二日酔いのぼんやりとした頭を抱えて、京福嵐山線の乗客となったのである。

 鉄道の本なんぞを書いたにもかかわらず、嵯峨野観光鉄道は初体験。もっとも、この路線が山陰本線だったころに乗ったことがあるからいいのだ。
 で、駅で列車の写真でも撮ろうかと思ったら、とんでもない混雑。かろうじて妻と義母の記念写真だけは撮ることができた。

保津川から見たトロッコ列車

 これを「トロッコ」と呼ぶかどうかについては、一鉄道ファン、トロッコファンとしては、いささかの疑問があるのだが、まあ楽しければいいだろう。
 それにしても、この季節でこれだけの混雑なのだから、春の桜、晩秋の紅葉のシーズンは大変な状態になるに違いない。

 約30分のトロッコ列車に対して、ほぼ同じ距離を2時間かけて下るのが、保津川下りである。
 ライン下りのように急流、激流の連続かと思っていたら、大半はゆったりとした流れだ。3人いる船頭さんが、いろいろとギャグを連発することに感心していたが、よく考えてみると、そうでもしなければ、いくら周囲がいい景色とはいえ、客はみな退屈してしまうに違いない。

保津川から見たトロッコ列車

 トロッコ列車から見ると、船の乗客がみな列車に向かって手を振るのがおかしかったが、いざ自分が船の客になると、どうしても列車に手を振りたくなる。不思議な心理であった。

 こうして、夕方に京都の都心に戻り、夕食は堀川通御池にあるイタリアン「クチーナ・イル・ヴィアーレ」。タクシーの運転手さんに言ったら、「舌をかみそうですね」と笑われた。
 最近は、京都においしいイタリア料理の店が急増しているようだ。この店も、料理はどれも極めて美味で楽しく、東京よりも値段が安めなのが魅力。

 だが、あまりに料理の余韻にひたっていたため、あやうく新幹線の最終に乗り遅れるところだった。タクシーで京都駅の新幹線側の入口に到着したのが発車10分前。義母も満足して名古屋にご帰還になった。

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コメント

相変わらず大変そうですね~
金と暇と記憶か~。
1つなくせと言われたらなんだろう。やっぱり金か。でも、全然ないと困るし。……あ、ありすぎて困ったことは一度もないけど。
「記憶は、なくした者勝ち」という考えもありますよね。
私にとって、やっぱり暇が一番大切!

まさに。

父が突然、旅行に行きたい、と言い出し、来月千葉に行きます。父は27日に旅館を予約したらしいのですが、どこを予約したのか…現在、ヤツはアッパラパーになっていてわかりません。27日までに思い出してもらわないと…

年とると、金も暇もあるのに記憶がなくなっちゃうのよねぇ。

風さん、おかげさまで、体重も増えて帰ってきました。
旅行のタイミングって難しいですよね。
金がちょっとあるときは忙しい。暇になると金もない……そんなことを繰り返しています。

飲み食い、乗り物、とターゲットを絞り込んだ充実の旅行でしたね。

私も夏の間休んでいた、東海道歩きを早く再開したいのですが、やたら忙しくてどうにもなりません。脚が歩きたがって、ウズウズしてます。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
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