京都:保津川下り
翌日が連休の最終日ともあって、夕暮れの京都は大変な人出であった。
ぶらぶらと市内を散歩したのちは、四条川端の「うずら屋」で鳥の刺身や野菜の焼物に舌鼓を打ち、六角通河原町のイタリアワイン専門(!)のワインバー「ロスコ」でワインを楽しく、しかししこたま飲んでいたら、午前2時半。いつのまに時間がたったのか不思議である。
翌日は、名古屋からやって来た義母をまじえ、嵯峨野観光鉄道(いわゆるトロッコ列車)と保津川下りというコースである。私と妻は二日酔いのぼんやりとした頭を抱えて、京福嵐山線の乗客となったのである。
鉄道の本なんぞを書いたにもかかわらず、嵯峨野観光鉄道は初体験。もっとも、この路線が山陰本線だったころに乗ったことがあるからいいのだ。
で、駅で列車の写真でも撮ろうかと思ったら、とんでもない混雑。かろうじて妻と義母の記念写真だけは撮ることができた。

これを「トロッコ」と呼ぶかどうかについては、一鉄道ファン、トロッコファンとしては、いささかの疑問があるのだが、まあ楽しければいいだろう。
それにしても、この季節でこれだけの混雑なのだから、春の桜、晩秋の紅葉のシーズンは大変な状態になるに違いない。
約30分のトロッコ列車に対して、ほぼ同じ距離を2時間かけて下るのが、保津川下りである。
ライン下りのように急流、激流の連続かと思っていたら、大半はゆったりとした流れだ。3人いる船頭さんが、いろいろとギャグを連発することに感心していたが、よく考えてみると、そうでもしなければ、いくら周囲がいい景色とはいえ、客はみな退屈してしまうに違いない。

トロッコ列車から見ると、船の乗客がみな列車に向かって手を振るのがおかしかったが、いざ自分が船の客になると、どうしても列車に手を振りたくなる。不思議な心理であった。
こうして、夕方に京都の都心に戻り、夕食は堀川通御池にあるイタリアン「クチーナ・イル・ヴィアーレ」。タクシーの運転手さんに言ったら、「舌をかみそうですね」と笑われた。
最近は、京都においしいイタリア料理の店が急増しているようだ。この店も、料理はどれも極めて美味で楽しく、東京よりも値段が安めなのが魅力。
だが、あまりに料理の余韻にひたっていたため、あやうく新幹線の最終に乗り遅れるところだった。タクシーで京都駅の新幹線側の入口に到着したのが発車10分前。義母も満足して名古屋にご帰還になった。
最近のコメント