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2008-07-24

トリエステのスロベニア語

 トリエステのオーベルダン広場から、ヴィッラ・オピチーナまでは路面電車の線路で約5キロ。バスでもせいぜい20分くらいで着くだろうと思っていた。

 乗り込んだバスは丘のへりを右に左に大きくカーブしていくのだが、なかなか丘の上までたどりつかない。それどころか、途中から遠ざかっていく気配。
 30分くらいしてから、バスがかなり遠回りしていることにやっと気がついた。

 それでも、ようやく台地の頂上あたりに出たところで、家がたてこんでいるところに着き、しばらくそこで停車した。ふと外を見ると、下の写真のような、なかなかいい感じの小さな町。
--もうそろそろ着くころだし、ここから歩いてもたいしたことないだろう。

 後先を考えず、発作的にバスから降りた私である。

トリエステ郊外の町

 ふらふらと数枚写真撮って戻ると、当然のことながらもうバスの姿はなかったが、せいぜい2、30分も歩けば着くだろうと思って安心しきっていた私は、バス停の時刻表を見てビックリ。
 ヴィッラ・オピチーナまで、バスであと20分近くかかるではないか。とても、炎天下を歩いていける距離ではないことがわかった。

 救いだったのは、次のバスが50分後に来ることか。日曜日じゃなくてよかった。

 まあ、ヒマを持て余したので停留所を3つほど歩いた私であるが、気がついたのは町名の看板が、イタリア語とスロベニア語の2か国表示になっていること。
--へえ、国境に近いからか。親切なんだな。

イタリア語とスロベニア語の併記

 単純にそう思ったのだが、それは浅はかであった。
 よく考えたら、このあたりは第一次世界大戦までオーストリア・ハンガリー帝国の領土だったのだ。なにしろ、このあたりの国境が確定したのは、1954年のことである。

 そして、トリエステの背後にある丘には、スロベニア人が住む集落が多いということを知った。だから、町にもスロベニア語名があるのも当然のわけだ。

 まあ、住民にとっては、昔から住んでいるのに、勝手に国境線があっちにいったりこっちに来たりしただけなのかもしれないが。

イタリア語とスロベニア語の併記

 50分後にやってきたバスでヴィッラ・オピチーナに向かうと、そこにもスロベニア語の標識があった。それが上の写真である。

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

すっちさん、はじめまして!
いいところにいらっしゃったんですね。
私の記憶とトリエステ交通局のサイト
http://www.triestetrasporti.it/
を照合したところ、私が乗ったのは42系統でした。

変なところで降りて、Borgo S.NazarioやProseccoあたりをうろうろしていました。
あのバスは、林の中を抜けていく部分もあって、なかなか楽しめましたよ。
本当は4系統に乗ればよかったのかな?

トラムの牽引車(?)が変わったのは、ほんの2年くらい前のようです。システム全体を交換するためか、一時運休していたとのこと。
そのときに行かなくてよかった……。

それでは、今後ともよろしくお願いします。
よろず話の「イタリア町めぐり」にあるトリエステも少し手直ししようと思っています。

トリエステで検索してやって参りました。
よろず話も楽しく拝見してます。
5年前に2ヶ月ほどトリエステではなく、その丘の上に滞在してました。非常に楽しかったので、ケーブルカーやオピチーナの写真が、とにかく懐かしいです!!
オピチーナに向かうまでにバスが大回りしたとのことですので、
恐らく滞在していた村を通過する路線ではないかと想像し、これも懐かしんじゃいました。(あ、でも丘を登る途中で一箇所分岐があったから、違うかな・・・)でも、上っていく途中で眺めるトリエステの景色が非常に良かったことを記憶しています。
僕が乗った当時は黄色い牽引車だったので、写真の平たいヤツはここ数年で使われ出したんですかね。また引っ張られたいっ!

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著書

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  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
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  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
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