ヴェネツィアのデジャ・ヴュ
北東イタリアをまわっていると、そこかしこの町にヴェネツィアの香りがすることに気づいた。
ヴェネツィア風のポルティコ(アーケード・柱廊)、ヴェネツィア風の路地、ヴェネツィア風の宮殿などなど、現地からのブログにも書いたが、ヴェネツィアに一度でも行ったことのある人なら、「どこかで見たような」というデジャ・ヴュ(既視感)に襲われるだろう。
とくに鐘楼となると、サンマルコ広場にあるやつに似たものを、あちこちで目にした。
なかでも驚いたのがこれ。
ウーディネの南東数キロのところにあるブットゥリオ(Buttrio)という町にある鐘楼だ。
ゴリツィアからウーディネに向かう列車の車窓からこれを初めて見たときは、驚きのあまり座席からずり落ちた……というのはウソだが、かなりビックリした。
日本に帰ってきてから写真でくらべてみると、細部がだいぶ違っているが、どうにも全体の印象がそっくりなのである。
幸いにもウーディネには2泊したので、空いている時間を見つくろって、となり駅のブットゥリオまで行って写してきたというわけだ。
ブットゥリオは観光地としては無名のようだが、町のなかにある観光案内の看板を見ると、郊外にワインセラーがいくつもあるようだ。付属のレストランの案内も記されていた。
鐘楼に隣接する教会は、まるで機能一点張りというあっさりしたもの。
この点はヴェネツィアのそれとはだいぶ違っていた。
芸術に造詣の深い人ならば、このあたりの町を巡って、ヴェネツィア派の作品がどうのと言えるのだろうが、まあ私が気づいたのは、そんな程度である。
鐘楼は、ウーディネに向かう右側の車窓に見える。近くの国道を走るバスの車窓からも見えた。
そうそう、バスでウーディネに向かう途中、ブットゥリオの手前にあるマンツァーノ(Manzano)という町のはずれを通過したときに、こんな巨大な椅子が目に飛び込んできた。

こんなおかしなものが見えてくるから、うかつに寝ていられない。
日本に帰ってから調べてみると、どうやらこのマンツァーノは椅子や机の製造で有名な町のようである。
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