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2008-01-16

シチリア名物アランチーノ

 昨年12月8日にシチリアから帰国して以来、あまりにもいろいろなことがあって、ずいぶん時間がたったような気がしていたが、よく考えてみると、わずか1か月とちょっと。
 書き残していたイタリアのネタを細々とまとめてみようと思う。

アランチーノ

 さて、この写真は カターニャの広場 に面したバールで食べたアランチーノ。
 アランチーノとは、「アランチャ(オレンジ)の小さいやつ」という意味だが、実はいわゆるライスコロッケである。名前の由来は、その形にあるのだろう。

 これをはじめて食べたのは、20代でのシチリア旅行。メッシーナ海峡を渡る連絡船の甲板に上がると、何やら売店の前に人だかりがしているのが見えた。
 近寄ると、売店の前には卵形の揚げ物らしき不思議な物体が置かれ、むさ苦しい親父たちが紙にくるんでそれを食べているのではないか。

「これは何ですか?」
 私が尋ねると、売店の女性は「アランチーノ」と答えた。

--オレンジの小さいやつ?
 それ以上詳しく聞くよりも、食べてみるのがよかろうと、私は即断したのである。安かったしね。
 揚げ物をかじると、チーズがとろりとあふれてきた。かじったあとには、トマトソースやライスが見えた。
--う、うまい!

 これが、アランチーノとの出会いであった。貧乏旅行のお供に最適。その後の数日間のシチリア滞在においては、来る日も来る日も昼飯はバールでアランチーノを食べていたっけ。

 そんなことを思い出しながら、寒風吹くカターニャで食べたアランチーノである。
 今回の旅行でしみじみわかったのだが、店によって味も大きさもずいぶん違う。
 印象に残ったのは、カルタジローネ の中心部にあるバールで食べたやつだ。黒胡椒が上手に使われていたアランチーノは、これまで食べたなかで一番ウマかった。

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

なるほど、オムライスと聞いて、「卵」ばかりが頭に浮かんでしまったので、わかりませんでした。
ぜひ、カルタジローネに行ったら、ご試食あれ。

駄菓子様、“オムライスのおにぎりフライ”とは、アランチーノを表現したものだったのですが、私の書き方がまずくてすみませんでした。
オムライスに、とろ~りチーズがからまったおにぎりフライ。
カルタジローネのお店情報、有難うございます。
凄く分かり易いです!
次回訪問するときには、必ず訪ねてみたいと思います。
完食したいので、涼しい季節に訪問したいと思います。

メルクルさん、ごぶさた!
そうそう、サフランライスが入っているのがいいですね。
東京のどこかでおいしいアランチーノはないかなあ。
まあ、レストランで出てくるものじゃないから、なかなか見つからないかもしれませんね。

駄菓子さん

超お久しぶりです~  アランチーノに惹かれてやってきました。前にも お話しましたよね? シシリアンの友達がいるって♪ 話題のアランチーノを初めて食べたのが 彼女たちの家に招待された時のことなんですが・・今夜はイタリア人たちが集まるので 遊びに来ないかといわれ 行ったところ 手作り料理の中で 目を引いたのが テニスボールくらいの 細かいフランスパンのパン粉にくるまれたライスコロッケで サフランライスの中心にーズ入りミートソースが入ってて すごく美味しかったです! 
イタリア語はわからないので 小さなオレンジって言う意味とは知らなかったのですが・・ぴったりのネーミングですね。 懐かしい~~久々に食べたくなりました☆!じゃ又ね

ヨーコさん、こんにちは
オムライスのおにぎりフライというのは知りませんでした。おいしいのかなあ……。
たしかに、暑い時期に大和撫子がアランチーノを完食するのは難しいかもしれませんね。
カルタジローネのそのバールは、例の階段の数十メートル手前を、階段に向かって左に曲がり、100メートルほど行った左側にあります。
どうということのないバールで、がらんとしていますが……。

がっちゃんさん、こんにちは
たまに、日本でもおいしいアランチーノに出会うことがあります。まあ、日本風にアレンジしてあるからおいしいと感じるのかも。
でも、チーズがたっ~~ぷり入っているのもいいですよね。
20代のときだからよかったけれど、いまだと毎日食べるわけにはいきませんね。コレステロールが心配ですし。

アランチーニ、オムライスのおにぎりフライ。
美味しいですよね。
残念ながら、私は1個完食出来ないんです。
暑い夏ばかりシチリアに滞在しているせいだと思うのですが。
ご案内のカルタジローネのバールで販売されていた黒胡椒バージョン、食べてみたいです。

久しぶりの更新ですね。
アランチーノ私も大好きです。
やはり「米」を使っているからでしょうか、
日本人にも馴染みやすい料理ではないかと思います。
家で作ってみたんですけれど、なかなかあの味にならなくて・・・
なんだか今すぐに食べたくなってしまいました!!

ビール小瓶1本、アランチーノ1つ(複数食べるとアランチーニになりますよね)で、もう昼飯は十分ですね。
たしかにローマやナポリでも見かけましたが、やはりアランチーノはシチリアのものだなあと納得。
それは、東京のそば屋で食べるうどんか、大阪のうどん屋で食べるそばのようなものでした。

 アランチーニって何か妙に感動しますよね。あの赤いライスがオレンジを想像させるのでしょうか。ケチャップライスにとろ〜りと溶けたチーズ。私達もシチリア周遊中は何かとよくお世話になりました。ああ、また食べたい。ローマにはあるという話ですが、なかなか見つからないし、シチリアのものとは若干違うんですよね?

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著書

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  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
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