小さな丘上都市・キアラモンテ・グルフィ
モーディカには2泊のつもりだったが、どうにも居心地がいいので4泊もしてしまった。ローマまで陸路で移動することもあきらめて、帰りはカターニャからローマまでの飛行機も予約した。ちなみに、この区間は競争が激しいらしく、早朝の便ならば意外に安く入手できる。
さて、ラグーザ、モーディカ、シークリ、ノートとくれば、バロック都市めぐりとして、残りはコーミゾとヴィットーリアとなるところだが、ここで生来のへそ曲がり根性が出た。
--日本のガイドブックに出ていない町に行かなくちゃ。
というわけで、5日はラグーザの北方20キロほどのところにあるキアラモンテ・グルフィ(Chiaramonte Gulfi 以下キアラモンテ)を目指した。
キアラモンテとは、澄んだ山、清い山というイメージか。さしずめ清澄山というところだが、これじゃ千葉県になってしまう。
それにしても、長距離バスの正確さにくらべて、近距離バスはかなりルーズである。レストランの日本人の方によれば、市内バスはもっといいかげんなのだそうだ。
モーディカ発ラグーザ行きは、所要時間が30分なのに出発が30分も遅れたものだから、とうぜん接続便は発車済み。
しかたがないので、次のバスまでの2時間を、再びラグーザ見物にあてた。この日はかんかん快晴だったので、いい写真が撮れたということで、これでいいのだ。
結局、午後の学校帰りの騒々しいガキ満載のバスでキアラモンテ着。ここはこぢんまりとした丘上都市である。
まもなく昼休みなので、小さな広場に面したバールであわててパンを食らい込み尋ねた。
「ドゥオーモ広場ってどこ?」
40歳くらいの人のよさそうな恰幅のいい店主は、欠けた前歯を見せながら笑って答えた。
「ここだよ」
言われてよく見ると、確かに小さな広場の奥に教会があったが、正面が修復中であった。
バールのトイレを借りようとすると、親切にも近くのおじさんが案内してくれた。
トイレのある隣室に入ると、驚いたことに広い部屋には20人くらいの親父軍団が集結して、新聞を読んだり、ポーカーをしたりしているではないか。
ここは町の親父の社交場であった。
で、町の見物はというと、町自体が小さいことと、山の上で吹きっさらしの風が寒いのとで、1時間ちょっとの滞在時間で早々に退散することにした。
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