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2007-11-26

「あの」階段の町・カルタジローネ

 パレルモからパスで約3時間。やってきたのは南東部の山の中にある丘上都市、カルタジローネである。陶器がはめ込まれた階段が有名で、世界遺産になったものだから日本からのツアーも多いらしい。
 パレルモからの直通便も最近になって新設されたそうだ。それにしても、SAIS社のバスは噂に違わず、南イタリアにしては珍しく発車時間が異様に正確である。
 発車10分前に検札があり、5分前に運転手が乗り込み、1分前にエンジンをかけて、定刻に発車するという驚きの体験をした。

カルタジローネのザ・階段

 すっかり有名になったカルタジローネの階段は、全部で142段。
「町は坂ばかりですよ」「階段が急ですよ」と義母に吹き込んでいたので、現物を目にするまでは羽黒山か山寺のような恐ろしい階段を連想していたそうだ。
「なあんだ。これなら3回くらい昇り降りできるわぁ」とご機嫌であった。

 あちこちの店に入って、あれこれと陶器を買い込み、これまたこの町で有名なプレゼーペ(クリスマスのミニチュア)を見て過ごすことになった。
 クリスマスに来れば、階段がきれいなイルミネーションになるのだが、そのときは観光客でずいぶん混雑するそうだ。
 その反動で、11月下旬の今は観光客もまばら。階段に日の当たる午前中には、人っ子一人いな階段で貸し切り状態だった。われわれ3人は写真を撮ったりして過ごしたのである。

旧市街遠景

 昼過ぎには一人で町の外周を一周して、丘上都市であることを再認識したのだが、もう一つわかったことがあった。
「あの階段がなければ、陶器で有名なただのシチリアの山の町だったに違いない」ということである。

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

ヨーコさん、そりゃまあ、一気に登れば大変でしょうが (^^;;
左右の工房を見ながら、ゆっくり登っていけば年配の人でも大丈夫でしょう。
でも、一番いい……と思えた工房は、この階段に面したところでなくて、狭い横道にありました。

SAIS社のバス、本当に正確ですよね。
イタリア時間で、のんびりバス会社のブース内の椅子に座っていると、置いてきぼりをくらうかも。
カルタジローネの階段、上までいくと結構きつくないですか?
私も友人と陶器工房巡りをし、気に入った作家さんのお皿を購入しました。絵付けをしている作家さんに名前を入れてもらい、毎朝の食卓で活躍しています。

アトムズさん、ばんばん入っているというわけじゃないけど、日本人には人気らしいですね。なんとなくわかる気もします。店のお兄ちゃんも、日本語を教えてくれといっていました。
昔、日本語教師をやっていた杵柄(?)で、「割引」と「おまけ」の違いを教えてあげました。

ikeさん、そうです!
シチリアもかなり様変わりしている感じです。
早く来ないと浦島太郎になりますよ!

>発車時間が異様に正確である。
>…5分前に運転手が乗り込み、1分前にエンジンをかけ

これはまた、とっても「異様」ですね。
あと10年もしたら、南の時間感覚がなくなって、ノラ猫たちも駆除されて、キチンとした綺麗な南イタリアになってしまうのでしょうか。

これは早く行かなければ!

 カルタジローネ、宮下先生の本で知り、是非とも行きたくて、エンナからカターニャへ行く途中で寄りました。お土産に買ったとても奇麗な陶器を見ると、あの時のことが思い出されます。チェントロから出られず泣きそうでしたが、親切なお兄ちゃんが先導してくれて命拾いしました(^_^;)。
 この階段脇にある工房の子どもが座っていてとても可愛かったです。今では、ツアーがバンバン入っているのですね。恐るべし。日本のツアー。

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著書

  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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