牛込柳町あたり
大江戸線が開通して様変わりした牛込あたり。
それでも、柳町の交差点付近は、まだまだ以前の面影を残している。
ちょっと裏道に入ると……。
正確にいうと、このあたりの住所は原町である。
それにしても、牛込にくるたびに、初めて耳にする地名があるのは楽しい驚きである。今回は、市谷甲良町がそれ。昔から住んでいる人が聞いたら、「いまさら、何言ってやがるんだ」と怒られそうだが。
ちなみに、牛込柳町として知られている町も、正式な名称は市谷柳町なのだ。
牛込のあたりは、箪笥町、二十騎町、鷹匠町など、昔ながらの町名が残っているのがうれしい。
1960年代後半にあった新住居表示の際に、このあたりの人たちが猛反対しているという話は、小学生の私もよく耳にしたものだった。
当時、私が住んでいた浅草でも、そんな人たちが多ければ、馬道、象潟、猿若町、聖天町、吉野町といったゆかしい町名が残っていたはずなのに……。
名前が変わって、どこに行っても浅草、東浅草、西浅草なんてなると同時に、町も平板になってしまったような気がする。
かろうじて、花川戸だけが猛反対の末に残されたことが救いだろうか。
ところで、牛込柳町といえば、東京生まれの我々の年代では、日本一空気が悪い場所としてマスコミで話題になったことを覚えているに違いない。
その理由は、ここに来ればすぐにわかる。牛込通りと外苑東通りのそれぞれ底にあたる場所だから、排気ガスがたまってよどんでいたのだろう。
そんな柳町交差点付近も、近々道路の拡幅が予定されているようだ。だからこそ、いままで古い家や店もかろうじて残っていたのだ。
もう数年もすると、広々として、さっぱりして、殺風景なだけの交差点になってしまうかもしれない。
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