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2006-12-17

初めてのトラステーベレ

 ラークイラからローマまでは、高速バスが1日に12便も運転されている。所要は1時間45分。バスターミナル13時発の便を待っていると、やってきたのは、なんと2階建てバスであった。
 ラークイラ市内のあちこちの停留所で客を拾い、半分以上の席が埋まったバスは、町外れで高速道路に入ると、あとはローマまでノンストップである。ローマ・ティブルティーナ駅そばのバスターミナルには、ほぼ定刻に到着した。

橋の上の落書き

 さて、イタリア滞在の最終日となったこの日は、夕方までローマのトラステーベレを徘徊しようと考えていたわけ。トラステーベレとは、ローマの中心部から見ると、テーベレ川の対岸に当たる地区のことだ。
 恥ずかしながら、ローマに何回も行っておきながら、昔のローマの面影を残すと言われているトラステーベレに、一度も足を踏み入れたことのなかった私である。

 荷物をティブルティーナ駅に預けて、オスティエンセ駅まで電車に乗り、そこから、ひたすら歩いて北上し、橋を渡ってトラステーベレ地区に入った。

 で、その橋の上で見かけた落書きが上の写真。
「IL CUORE DI RENATO BATTE NELLA CITTA」と書かれている。「レナートの心臓は、町の中で打つ(高鳴る)」といった意味か? レナートとは、もしかして、ローマを代表する歌手で、私が気に入っているレナート・ゼロのことかな、なんて思ってシャッターを押したのであった。

トラステーベレにて

 さて、肝心のトラステーベレであるが、その雰囲気は、これまで巡ってきた地方都市そのもの。東京でたとえれば、浅草まではいかないけれど、上野あたりといった感じか。なかなか気に入った。
 広い通りには個人商店が建ち並んでおり、中心部の路地には小さなレストランが軒を連ねている。こんどローマで泊まることがあったら、トラステーベレのホテルにしよう。大通りには、新型の路面電車も走っていたしね。
 それにしても、トラステーベレの路地の奥にまで、ドイツ人が団体で次から次へとやってきているのには驚いた。

 結局、バールにも入らず、ただひたすら歩きまわり、そのままローマの中心部に突入。前日の山歩きに続く、この日の町歩きで、私はひたすら幸福感にひたっていたのであった。

【2006年9、10月イタリア・マルタ旅行記・完】

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

やっと終わりました。やはり現地で書かないことには、はかどりませんね。日本に帰ってくると、仕事だ雑用だと、何かと忙しいもんで。
で、もし次回ローマに泊まるとしたら、やはり合理的でないトラステーベレに決めました。

おつかれさまでした〜。もうしばらくイタリアは腹いっぱいとか言ってたわりには余韻を楽しんでいるような感じがしましたよ(^^;;
トラステーヴェレで以前泊まったホテルは最悪だったのに、つい4泊もしてました。なんか路面電車で通ってる感が気にいって。で今回も泊まろうと思ったけど、合理主義の連れの希望で駅の近くに…。でも夜のティベリーナ島に上陸できたのはちょっとうれしかったですが。

すずめさん、ご心配をかけました (^^;;
先日、知り合いに会ったときに、「ずいぶん長く行っていたんですね」と言われてしまいました。
ときどき日付を書き込んでいたんですが、そんな細かいところまで読んでもらえませんよね。
>ローマで食事はこの店!と決めたのですが………あれから辿り着けたことがありません。悲しい。
うーむ、小さな町ならなんとかなるでしょうが、ローマとなるとねえ。
ああ、読んでいたら腹減ってきた。夜中なんだけど。

ikeさん、こんばんは
マテーラの町で、SDカードのUSBアダプターを探し回っていたときに、「やっぱり、ある期間住みつくならば、ローマやミラノの片隅のほうが便利だろうなあ」なんて思いました。
トリノはまだ未体験です。ユーロがもう少し下がったら、北にも行きたいのですが、なんときょうは155円!

うわー、ようやく帰って来た!とゆー感じですね。
お帰りなさいまし(笑)

トラステベレですが、さんざん道に迷った挙句、やけくそで入った路地裏のピッツェリア。
ここで頼んだ野菜のグリル〜〜〜。
塩ふって炭火で焼いただけのが出て来て。イタリアの野菜料理って、たいてい油でクタクタになってるじゃないですかぁ…嬉しくっておかわりしちゃった記憶があります。
ローマで食事はこの店!と決めたのですが………あれから辿り着けたことがありません。悲しい。

連載お疲れ様でした。

このところ、今まであまり興味がわかなかったローマやトリノのような街が気になります。東京から信州に引っ越したせいですかね。
思えば私も、ローマには何度も行ってるはずなのに、トラステベレを歩いた記憶がありません。(たぶん行くとすれば再来年ですが)次回には大きな街の下町に出かけてみようと思いました。

帰国から2か月を過ぎて、ようやく終わりました。
日本に帰ってくると、どうしても仕事があるので、どんどん遅れてしまいました。
はたして、来年の旅はあるのか……?

 駄菓子さん。旅行記、お疲れ様でした。楽しませて頂きました。もう、終わりなんですか?永遠に続きそうな旅でしたが、やはり、終わりは来るのですね(^_^;)。また、来年の旅を楽しみに待っています。

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