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2006-11-05

マルタの仇をイタリア・シッラで

 ボーヴァからの帰り道、さて今晩ははどこに泊まろうかと考えた。
 荷物はレッジョ・カラーブリア中央駅に置いてあるので、いったん荷物を取りに戻るとなると、そう遠くへは行けない。

 私の旅の方針からすれば、なるべく知らない町に泊まるべき……となるところだが、その日はそんな冒険的な気分にはなれなかった。
 なぜなら、マルタにおける連夜の晩飯のハズレがあったからである。
「きょうこそは、確実にウマいメシを食いたい。できれば、海の幸」
 考えた末に出た結論は、去年も泊まった(そしておととしも訪問した)シッラ(Scilla)であった。
 江戸の仇を長崎で、ではないが、マルタの仇をシッラでとろうというわけである。

シッラのキアナレーア地区

 シッラについては、去年の ブログ記事 でも書いたが、レッジョ・カラーブリアから列車で約30分。海岸の急斜面に建ち並んだ家が見事で、しかも海の幸がウマい町である。

 ホテルにチェックインしたときに、すでに日は暮れかかっていた。急ぎ足で急坂を昇り降りし、地元の人たちにまじって展望台で海を眺め、さらに港からキアナレーア地区の町並みを眺める。
 何度も見た景色だから、無理する必要はないのだが、やっぱりシッラに来たからには、これを見なくては収まりがつかない。
 それに、夕食は去年行って気に入った店は、港のすぐそばにあったのだ。
 しかし、ここで私は「ちょっと待てよ」と考え込む。
「去年行った店は、お兄さんの愛想もよくて味もよかったけど、まったく同じ店というのも芸がないなあ。この町はどこも食事がうまいと聞いているので、今年は別の店にしてみようかなっと」

 そんなことを考えながら、珍しくデジカメのムービー機能を使って、キアナレーア地区の景色をパノラマ撮影していたときのことである。
 約180度のカメラ移動が終わりかけたとき、ファインダーの片隅に、こちらに向かって歩いてくる若い男性2人が映り込んだ。
 一人は、こちらをじっと見ている。

「あれ、どこかで見たことがあるような」と思ってカメラから目を離すと、彼は微笑んで握手を求めてくるではないか。
「やあ、久しぶり」
 去年行ったレストランのお兄さんであった。

オデュッセイアに登場する怪物スキュラにちなんだ鉄柵

 やはり、悪いたくらみは天からお見通しであった。いや、別に悪いことじゃないけどね。
 それにしても、よく覚えているもんである。
「いやあ、ちょうどこれから行こうと思っていたんだ」などと、聞かれもしないのに答える私。
 結局、去年と同じ店に行き、同じようなメニューを注文。2度目ともなると、さすがに感動は多少薄れるが、やはりウマい。
 とくに、海の幸の前菜は、白魚、太刀魚、エビ、タコ、イカなどが、フライ、酢漬け、煮物など、さまざまな調理で盛り合わせられていて、味も繊細だ。
 イタリアの魚料理でありがちな生臭さもなく、日本のちょっといい店で食べる魚料理にまったくひけをとらないものであった。
「ああ、やっぱりこの店に来てよかった」と、しみじみ思う勝手な私であった。

 20人も入れば満員になりそうな、こじんまりとした店に流れるBGMは、去年はルーチョ・バッティスティ(Lucio Battisti)だったが、この日はクラウディオ・バリョーニ(Claudio Baglioni)。どこまでも私好みのニクい店である。まあ、単に親父さんが懐メロ好きなだけかもしれないが。

宣伝:シッラについて、詳しくは イタリア町めぐり -シッラ- をどうぞ。

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

あそこというのは、あそこですよね。San Demetrio。
その顛末は、まもなくわかるでしょう (^^;;
三個夏天さんは行きましたか? Bovaも?

駄菓子さんがクロトーネに行ったのはたぶんあそこに行ったのかな?なんて。
なんか、この1、2ヶ月の間に(ikeさんとはRoccaなぞ数日違い鴨^^;;)あやしい日本人がカラブリアをうろうろ…。意外と多いのか?日本人。

ikeさん、それはお気の毒です。
ビールも切れているとは……。
どうも私は、イタリアでも日本でも、食べ物屋の人に覚えられるようです。
人一倍、量を食べるからなあ。もっとも、イタリア人の中にいると、並程度の食欲ですが。
さて、次回はいよいよクロトーネ。仕事が一段落したらアップします。

シッラでは店に入るタイミングが悪く、まともに海の幸を食べることができませんでした。ちょうど、結婚式パーティーが終わったところで、魚もビールも切れてたところに行ってしまったわけです。

それにしても、駄菓子さんは再会が得意ですね。覚えてもらえる才能と、覚えてる才能の両方が備わってないとできない芸当と思います。

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