« 長野・松代駅 | トップページ | 変わったような変わらないようなバーリ »

2006-09-17

松代の町並み

 松代(まつしろ)という地名を聞いて、まず私の世代が思い出すのは、1960年代なかばに起きた「松代群発地震」である。
 戦中派の世代だと、松代大本営跡か。もっとも、戦時中にそんなものをつくっていることを知っている人なんて、かなり限られていただろうが。本土決戦となったら、ここに大本営だけでなく、政府機関も皇居も置こうとしたのだから、いやはやなんともである。

松代の武家屋敷

 でも、松代の本当の魅力は、江戸時代の松代藩の雰囲気を残す武家屋敷である。
 町並み観光では、近くにある小布施に遅れをとったが、町内の施設はかなり整備され、観光バスや観光客もちらほらと見受けられた。

 1984年に来たときは、漆喰や柱に危ないまでの年季が感じられた家も多く、それはそれで味わい深かったのだが、それもすっかり修復されていた。道路もきれいに舗装され、道端に花が植えてあったりする。

2006年の横田家住宅

 まあ、町並みが大切にされるのは大変喜ばしいことだが、自然のままの昔の様子もよかったなあと思い出す、へそ曲がりな私である。
 家に帰って昔の写真を見てみると、たまたま同じ家の門を撮った写真があった。旧横田家住宅の門で、いまでは、昔の武家屋敷を偲ぶ家として、一般公開されている。

1984年の旧横田家住宅

 上の写真が現在の姿。下の写真が22年前の様子である。
 1986年に国の重要文化財に指定され、保存修理工事ののち、1992年から一般公開されたのだそうだ。
 母屋は茅葺きの立派な建物で、土蔵もそのまま残っている。

« 長野・松代駅 | トップページ | 変わったような変わらないようなバーリ »

ニッポンぶらぶら歩き(東京、沖縄以外)」カテゴリの記事

コメント

なるほど、そんないきさつがあったんですね。
ちょっとほっとしました。
今回昼間に乗ったら、松代~屋代で数人しか乗客がいなかったもので、かなり心配になっていました。
「北信濃ひなめぐり」というのは、他地域の人間にアピールしそうなアイデアですね。
さまざまなご努力、敬服いたします。及ばずながら、私も力になれればと思います。

長野電鉄の河東線の保存に向けては、一番通学に使っている県立松代高校が統廃合になる可能性があったのですが、昨年から今年の春にかけて、松代高校存続を願う運動を町あげて展開し4万名を越える署名運動をあつめるなどして、存続することが決定。また、現在松代駅を国の登録文化財として登録してもらうように長野電鉄に働きかけようと取り組みを進めています。また、今年の春から松代、須坂、小布施、中野、湯田中の5地区が組んで北信濃ひなめぐりを共同で開催するなど周辺との連携で、乗車を増やす取り組みを行っています。地元としても今の風景がそして、河東線が残るように努力していきたいと思います。

NPO夢空間様、はじめまして。
トラックバックをお送りしたまま失礼しました。
書き込みありがとうございます。
前回行ったときは、古いままの門や家が多く、将来を危ぶんだのですが、今回行ってみて、きちんと整備されているので安心しました。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
あとは、長野電鉄の屋代線(河東線)の今後が心配ですが……。

松代のまちづくりに取り組んでいるNPO夢空間です。
松代の町並みを写真でご紹介いただきありがとうございます。歴史的建造物は知らぬ間に解体されてしまうケースも多いのですが、できるだけ、保存活用していけるように取り組んでいます。今後とも松代に対して注目していただけると嬉しいです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 長野・松代駅 | トップページ | 変わったような変わらないようなバーリ »

著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
無料ブログはココログ

.