『がんばれ! 路面電車』の不思議な縁
あえて自分の本(宮田さんとの共著)をここで紹介するのは訳がある。
単に図々しいからだと言われれば、返すことばはないのだが、もう一つ、8月30日に経験した摩訶不思議な縁がきっかけなのである。
午後3時半、池袋の南側にある会社で、仕事の顔合わせをした。明治通りに面したビルで、初めて行く会社だったのだが、散歩道としてたまに通っていた場所である。
顔合わせが終わり、「さてどこに行くか」と20秒ほど考えた末、近くにある古本屋に向かった。
ここもまた、半年に1回くらいは訪れる店で、なかなか品揃えが充実しているので気にいっている。
店に入ったとたん、ビックリ。
いきなり私の目に飛び込んできたのが、この『がんばれ! 路面電車』だったのである。
「あっ」という声が、喉の奥あたりまで出かかった。
どうやら、小さな「都電特集コーナー」となっているらしく、都電に関連した資料や模型などが、かわいらしく並んでいた。見るからに、店主は都電ファンに違いない。
そして、そのなかでも、この本が中心に据えてあるのだ。しかも立て掛けて。
それだけではない。見本の1冊のほかに、2冊が並んでいた(どうやら、もっと在庫があるらしい)。
かつて、「ベストセラーもいいけど、古本屋で人気のある本を書きたいよね」などと、カッコいいことを言っていた私である。まさに理想的な姿ではないか。
ちなみに、ここ数年の私の心境は、「なんでもいいから売れる本を出したい」に変わっているが。
名刺でも出して、「これボクの本なんです」と言ったらどうかとも思ったが、それは野暮というものである。にやにやしながら都電コーナーを眺めていた客を、店の人はどう思ったか。
まあ、そこまでだったら、十分ありうる話だ。ところがである。
夜、家に帰ってパソコンを開き、きょうの拙ホームページのアクセス解析の結果を見た。すると、見慣れないURLからのリンクをたどって来た訪問者がいる。
ほほう、どんなページなのかなと思い、開けてビックリ玉手箱。
数時間前に訪れた古本屋のブログではないか。しかも、きょう(8月30日)のブログの記事として、この本のことが表紙の画像とともにデカデカと取り上げられている。
あの都電コーナーは始まったばかりなのだ。それにしても、まさにきょうである。偶然というものはあるものなんだなあ。
しかも、楽しく紹介してくれて感激。
トラックバックも送ってしまおうかなっと。ビックリするかな。
そうそう、価格は600円だとか。
(発行:山海堂、著者:二村高史、宮田幸治、定価:1500円+税、初版発行:2000年7月、ISBN4-381-10379-3)
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