大塚坂下町・愛国党通り
坂道も好きなのだが、町の中にある階段にも引かれる。
とくに、周囲から隠れるように、ひそやかに存在する階段だとなおいい。
実は、大塚坂下町にも、そんな階段があった。
今回の散歩は、新大塚で終わることなく、さらに春日通りを大塚三丁目の交差点(旧・大塚仲町)に向かって歩いていった。
この春日通りの右側は斜面になっており、そこに階段がある。そして、その階段を下ると、そこは旧・大塚坂下町だ。
旧町名は、春日通りに並行して走る道の名に、坂下通りとして残っている。

この付近は戦争で焼け残ったために、いまでも木造の古い家が点在しており、道の広さ、カーブの具合とあいまって、散歩心をいたく刺激する。
30年ほど前に来たときには、もっと古めかしい町並みが続いていたっけ。
そのとき、池袋側に向かっていく途中で、通りの左側にある立派な木造の建物が目に入った。そこに掛かっていた「大日本愛国党」という看板を見てびっくり。次回はカメラを持ってこようと思っていたがかなわず、次に来たときには、木造の建物は立体駐車場に変わっていた。

当時文京区に住んでいた友人は、坂下通りのことを愛国党通りと呼んでいたけれど、この通り沿いに住む人がそう呼んでいるのかどうかは知らない。
この日は、もう夕方で写真を撮るのはぎりぎりだったので、結局愛国党のあたりまでは足を伸ばすことなく、不忍通りに抜けて帰って来てしまった。
それでも、散歩心はかなり刺激された。もう一度カメラを持って散歩に来なくては。タクシーの抜け道として使われるだけでは、もったいない通りである。
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