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2006-05-17

『どどいつ入門』

「どどいつ(都々逸)」と聞くと、お座敷で粋な年増がチトテンシャンなどと三味線を弾きながら、男と女の色っぽいネタを歌う……そんな印象を持っている人も多いだろう。私もそう思っていた。
 もちろん、それもまた「どどいつ」の一つの顔には違いないのだが、この本を読んで、「どどいつ」にはもっと広い世界があることを知った。

『どどいつ入門』

 そもそも、「どどいつ」が、七七七五という、定型の短い詩だということも、恥ずかしながら知らなかった。
 そう、「どどいつ」は短歌や俳句の仲間なのである。そんなことも書いてはあるが、けっして学術的な堅苦しい本じゃない。誰でも手軽に読める楽しい読み物になっている。

 でも、どうつくっても「どといつ」のネタは下世話な話になるんだよなあ。なぜなんだろう。
 勝手に推測するに、七七七でくどくどと説明しておきながら、最後の五でビシッと決めるという形式が、人間生活を表現するのに合っているのかもしれない。

 とはいえ、俳句だってもともとは卑俗なものだったのを、江戸時代の俳人が芸術の域にまで高めたものだ。それならば、現代で「どどいつ」を極めれば、後世に名を残す存在になるかもしれない。「どどいつ中興の祖 二邑亭駄菓子」なんて、なかなかいいかもね。

 いずれにしても、この本を読むと、誰でもすぐに「どどいつ」をつくりたくなることだろう。
 最後には、現代の「どどいつ」の一つの形として、「折り込みどどいつ」も紹介されている。ネットで調べれば、そのやり方はすぐにわかるだろう。ぜひ、お試しあれ。

(発行:徳間書店、著者:中道風迅洞、定価:1500円+税、初版発行:1986年10月31日、ISBN4-19-403341-8)

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