大阪湾岸・渡し船めぐり
5月1日は真夏のような日射し。
そんななか、大阪滞在を一日延ばしてまで決行したのが渡し船めぐりであった。
いま、大阪市内に残る渡船は8か所。かつては市内のあちこちにあったようだが、現在残っているのは、すべて大阪湾に近い工場地帯のなかだ。
渡し船といっても、♪村の渡しの船頭さんは~……という歌に出てくるような手漕ぎの木造船ではない。
大阪市の職員(あるいは嘱託?)であろう、おじさんやお兄さんが2人ずつ、エンジンつきの船を操る。
周囲も大半が殺風景な工場ばかり。
だが、そこにはやはり「渡し船」という情緒がただようのであった。
8か所ある渡船は、お互いがそう遠くないことだし、地下鉄とバスを使えばラクラク半日で回れる……と思ったのは大間違いであった。
なにしろ、どこの乗り場も、最寄りのバス停や駅から10~15分ほど歩かなくてはならない。
しかも、1日は5月早々とは思えない夏日。
最後には頭がくらくらしてきた。
渡し船の乗客のほとんどが自転車利用者だったのも、わけがあったのである。
それにしても、どの渡し場もフォトジェニック。船を待っている間、目の前を通っていく貨物船やだるま船を眺めているのも楽しい。
朝10時前に天王寺の宿を出たのだが、結局、最後の天保山渡船に乗り、対岸のJR桜島駅にたどり着いたのはちょうど18時であった。
我ながらご苦労なことである。
ルートは短いものが75メートル、長いものでも400メートル程度。あっというまに対岸に着いてしまう。
そんな短ければ橋をかけたほうがいいではないかと思ったが、大きな船が川を通るために、けた下の高い橋をかけなくてはならない。
それならば、船を走らせたほうが得だということだろう。実際に高い橋をかけたところもあるのだが、自転車でけた下60メートルなんて橋に登り降りするのは大変だ。だから、うれしいことに、まだまだ船の存在価値はありそうだ。
しかも、運賃は無料。おまけに、私のようなもの好きな人間のために、「大阪の渡し場いまむかし」というパンフレットまで用意してくれていた。
どのルートもきちんとした時刻表があって、だいたいが1時間に3~4便ほど出ている。
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