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2006-04-29

名古屋・あおなみ線の小さな旅

 28日は名古屋での仕事が昼すぎに終了。同行の2人のうち、1人は昼食後に東京へ会議のためにとんぼ返り、もう1人は京都で次の取材とのこと。そんな働き者たちを見送った私は、「はて、何をしよう」と考えた末、開業して間もない「あおなみ線」に乗ることにした。
 けっして私は鉄道マニアではないのだが、時間があまっていたのである。

金城ふ頭駅

 あおなみ線は名古屋駅と名古屋港の金城ふ頭駅を結ぶ第三セクターの路線である。
 名古屋といえば、新交通システム初の廃止決定路線「ピーチライナー」や、ガイドウェイバス、リニモと、変わった交通機関を作っては大赤字にする例が多い(ピーチライナーは小牧市だけど)。

 そんなわけで、開通早々赤字で先行きが心配されている「あおなみ線」に、なくならないうちに乗っておこうという算段である。

 よほど客が少ないのかと思っていたら、名古屋発の電車には、平日の日中の割には人がいた。以前乗ったピーチライナーの悲惨さにくらべれば、ずっとマシである。
 だが、わずかな賑わいも荒子山公園駅あたりまで。
 港らしい広漠とした車窓が広がるとともに、車内から人影が消えていった。
 そして、終点の金城ふ頭駅で降りたのは、私をふくめて4人であった。

ささしまライブ駅

 埠頭には、船積みを待つ何百台という自動車が見える。だが、駅を出たものの、行く場所がない。
 しかたがないので、改札にUターン。ホームに出て15分おきに出る電車を待つことにした。
 ヒマなので、電車の到着シーンを写そうとしたのだが、最近の駅によくあるように、ホームがガラスでおおわれているのだ。
 ガラスに汚れはついているし、反射した明かりが写り込んでしまうし、あまりよろしくない。
 私はいいのだが、鉄道マニアだったら憤慨するところだろう。

 さて、帰りは名古屋駅の1つ手前「ささしまライブ」駅で下車。
 この駅の英字表記は、「Sasashima-live」かと思いきや、「Sasashima-raibu」である! あくまでも日本語に忠実でありたいという姿勢に感激した。
 天王洲アイルを「Tennouzu-isle」などと英字表記して、しかも車内の英語放送で「アイル」の「ル」を、わざとらしく舌先を上顎につけている東京モノレールに爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。
 ちなみに、あおなみ線でも英語放送があったのだが、「ライブ」の「ラ」はRだかLだかわからない微妙な発音。しかも「ブ」の最後に、きちんと母音の「u」を入れていたのは、これまた感動的であった。

近鉄・米野駅

 もっとも、本当に「Sasashima-live」ときっちり英語で発音したら、英語圏の人間はこの駅名に、かなり奇妙な印象を抱くことであろう。

 それはさておき、ささしまライブ駅の南には、JR東海名古屋工場を越える橋がある。橋の上からは、ディーゼルカーの車庫が見えて、鉄道マニアならばさぞかし楽しい光景であろう。

 そして、橋を渡ると近鉄の米野(こめの)駅はほど近い。このあたりには、古い民家も点在しており、バックの超高層ビルと対照的な光景が広がる。
 米野駅は名古屋ターミナルの隣駅とは思えないこぢんまりとした駅。小さな旅の終点にはぴったりの雰囲気であった。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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