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2006-03-14

南イタリアで廃線探訪

 何も、好きでカラーブリアで鉄道廃線跡を探訪したわけではなかった。
 モラーノ・カラブロのバス停が1年前と変わっていたために、カストロヴィッラリに戻るバスに乗り遅れ、次のバスまで1時間つぶさなければならなかったからだ。
 まあ、それを幸いに、前年に見損なった廃線、廃駅跡がどうなっているか、訪ねてみることにしたというわけである。

駅と給水塔の跡


 場所は、モラーノの山のふもとにあるバス停から、駅前通りという名前とはうらはらの、何もない寂しげな道を下ること10分。
 かつて、蒸気機関車が使っていたであろう給水塔が見えてきた。左側にはホームの塀が見える。

 正面に見える建物は駅舎だろうか。このほかに、事務所らしき建物も近くに残っていた。

鉄道橋の跡


 道端に放牧(?)されている山羊に、不審な目を向けられつつ、さらに線路跡をたどると、未舗装の狭い道路を越える小さな橋が残っていた。

 この鉄道は、サレルノとポテンツァ、メタポントを結ぶ国鉄線から、シチニャーノで南に分かれ、ラーゴネグロ、モラーノを経由してカストロヴィッラリに至る支線であった。
 ラーゴネグロ以南はかなり前(30~40年前?)に廃止され、ラーゴネグロ以北も鉄道時刻表には載っているものの、全列車にバス代行マークがついている。

モラーノの山裾を通る廃線跡


 廃線跡は、モラーノの山裾を通ってラーゴネグロに向かう。反対側(写真の右側)はずっと開けた盆地が続き、その向こうに雪をかぶった山々が見える。
 列車からの眺めはさぞかし絶景だったことだろう。

 カストロヴィッラリのバスターミナルの片隅には、当時使われていた蒸気機関車が保存されている。
 機会があったら見てほしい……なーんて、そこまで行くヒマ人がどれだけいるかわからないが。

廃線跡とネコ


 モラーノの駅舎(あるいは事務所)跡らしき建物には、人が住んでいるようだった。
 そして、飼い猫だろうか、数匹が日向ぼっこしていた。

【2005年11、12月カラーブリア旅行記総集編・完】

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コメント

イタリアはかなり廃線跡がそのまま残っているところが多いようです。
フィレンツェの郊外(北側)にもくっきりとトンネルの跡が残っていたのを、谷の反対側からみたことがあります。(イタリア無駄話の「黒いバス、赤いバス」のとき)
あ、「道路橋」と書いたのは間違い (^^;;
「道路をオーバークロスする鉄道橋」という意味だと思ってください。

旅行記、おつかれさまでした!
カラーブリア州から表彰される鴨ですね(^^)
9年前にカストロヴィッラリの隣まで行きながら、なぜ止めちゃったのか、
いまもって後悔が残りますが、考えようによっては、積み残しがあって、
今また再燃したのかなとも思います。きっかけは〜、いつも旅ごころ?

しっかし、廃線マニアではないことを強調しつつ、ついたどってしまうのは性?
なんだか道路橋も、備前渠鉄橋の横のアーチ橋に見えてくるから不思議だ(^^;;

ご愛読ありがとうございました。
まだ続けてもいいのですが、こればっかりやっていると、社会生活に適応できなくなりそうで……。
最後の写真が廃線+ネコということで、なんとなく大団円という感じかな。

駄菓子さん。こんにちは。
行ったことのないカラーブリアの様子、とても楽しませて頂きました。
もう後日談もないんですか?残念。
私も、ひとりでカラーブリアへ行ける様に、イタリア語、勉強します。

カラブリア旅行記、お疲れさまでした。もう報告がないのかと思うとちょっと寂しいです。

廃線と言えば、、、

ナポリで廃線になったケーブルのデカイ階段を登ったことが、、、いや、単に道に迷っちゃっただけなんですけどね。

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著書

  • 辞書には載っていない⁉ 日本語[ペンネーム](青春出版社)
  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
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