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2005-11-23

「隠れたリゾート」トロペーア

 21日は朝食前に再びシッラの町を散歩することにした。旅先でも朝寝が好きな私たち2人にしては、異例のことである。
 一応観光地ではあるのだが、シーズンオフでもあり、東洋人も珍しいのだろう。すれ違う人はみなこちらを物珍しげに見る。
 でも、目が合ったときに「ブォン・ジョルノ」というと、いかつい顔をしたおじさんも、瞬く間に笑顔に変わって「ブォン・ジョルノ」と返してくれるのがうれしい。

海岸のイーゾラベッラ

 シッラを出発したのは、午前11時少し前。この日の目的地は、列車で1時間ほど北上したところにある西海岸のトロペーア(Tropea)。一部では隠れたリゾートとして知られている町である。
 日本からホテルを予約しようとしたのだが、出発直前になってシーズンオフで休みだという返事が来ていた。
「まあ、1軒ぐらいは開いているだろう。なにしろリゾートだもんね」

 途中からローカル線に乗り換えるのだが、この線は珍しく休日も平日も本数があまり変わらない。急行を含めて日に10本ほどが走る。

 駅を降りたとたんに、ちょっぴり拍子抜けした。「隠れたリゾート」にしては、あまりにも小さなローカル線の駅なのである。駅に売店があるが、駅前は1本道があるだけで、店はない。「TAXI」という標識はあるが、1台も止まっていなかった。
「いやいや、中心部に行けば、さぞかしエレガントな町が広がっているだろう」と私たちは励ましあい、重い荷物を抱えて「Centro(中心地)」という標識に従って歩いて行った。

 そして歩くこと約数分、ようやく家並みが見えてきた。さらに数分歩くと、旧市街らしき町並みに入った。だが、「隠れたリゾート」にしては、いかにも田舎臭い。
 メインストリートらしき狭い道を進んでも、目に入るのは安っぽい土産物屋とバールばかり。とうとう、荷物を抱えたまま町の端まで(といっても300メートルくらいだが)に達してしまった。

崖上にある旧市街

 しかし、そこは特等の展望台。切り立った崖の上にあるトロペーアの旧市街からは、アドリア海に浮かぶエオリア諸島が一望できる。
 実は、この町の西側には旧市街だけでも3か所の展望台があり、なかでも一番南のものには、地元のおじさんたちが入れ替わり立ち替わりやってきて、とりとめのない(と思われる)おしゃべりに時間をつぶしているという、人間観察には格好の場所である。

 結局、ホテルは旧市街のすぐ外に、こじんまりとしたものがやっと1軒見つかった。宿泊者はわれわれだけ。
 旧市街は、どこにでもありそうな南部の町である。これで崖下に広がる砂浜がなかったら、平凡な南部の町で終わっていたことだろう。
 あとでわかったことだが、「隠れたリゾート」を満喫するには、崖の下の海岸に面したところにある10軒あまりのホテル。あるいは、何キロか南にあるカーポ・ヴァティカーノにある豪華ホテル群(らしい)に泊まらなくてはならないことがわかった。
 もっとも崖下のホテルは、ほとんどが閉まっていたようだが……。

夕焼け

 旧市街は300×400メートル程度の小さな範囲で、1時間もあればすべて見ることができる。私たちも、1泊2日の滞在ですべての路地を歩いたほどだ。
 そして、ここの町のもう1つの特徴は、やたらにドイツが人が多いということ。
 レストランのメニューは、イタリア語とドイツ語の2か国語が書かれていた。日本語やフランス語はもちろん、英語も書かれていなかったのである!

 駅の売店で切符も売る美人のおねえさんは、私が切符を買うと「ダンケ・シェーン」と言う。
 一瞬おいて、私が「ビッテ」と言うと、笑いながら「ドイツ人が多いから混乱しちゃったわ」とイタリア語で言っていた。

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イタリアの旅 北から南まで」カテゴリの記事

コメント

もあさん、アトムズさん、こんばんは
カラーブリアにドイツ人が多いというわけではなく、どうやらトロペーアだけが多いんです。
その国のガイドブックに取り上げられる機会が多い町には、だんだんと人が集まるのではないかと思っています。
「なんでこの町には日本人が多いの?」ということもあるのじゃないでしょうかね。

駄菓子さん。また、イタリアで買って来た道路地図で場所確認しながら、拝読致しております(^_^)。
こんな南で、そんなにドイツ人が多いのは何でなんですかね?
ドイツ人のリゾート地と言っても、現地人がドイツ語でつい喋ってしまう程多いなんて不思議です。
北のボルツァーノも町にある表示は殆どがドイツ語との2カ国表示でしたが、これはドイツ語圏に近いというころや、住んでいる人の30%はドイツ語を話すと言うことだったので、理解出来ましたが…。

ドイツの人って、なんだかイタリア大好きですよね。自分が訪れたことのあるイタリアの町で、日本人にはそれほどなじみのないところには、どこもたくさんのドイツ人観光客がいました。
イタリアとドイツ。なんとなく「対極」にあるような感じがするのだけど、それゆえ余計にひかれるのかしらん。

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