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2005-08-04

首里から那覇に下る道

 那覇に来るたびに散歩したくなるのは、首里の丘から那覇に下る道である。
 もちろん、有名な金城町の石畳もいいのだが、ごく普通の道を降りながら那覇の町を見渡すのもいい。

 今回は、知人の仕事の手伝いでやってきたので、のんびりする時間もないかと思っていたが、肝心の仕事の大部分は延期。一通りの用件を済ませたのち、8月2日の昼下がり、ゆいレールに乗って散歩に出かけることにした。

玉那覇味噌醤油工場

 今回は、首里駅の1つ前の儀保で降りることにした。首里城まで歩いて15分くらいの距離にある駅だが、観光客はまず下車しない。
 ここから、地図も持たずに、足の向くまま坂を降りていこうという魂胆である。

 モノレールの下には大通りが走っているが、ちょっと脇道に入ると、すぐに静かな住宅街になる。
 だが、さすが王府のあった首里である。高級そうなマンションや立派な家が目につく。
 そんななかで、印象的だったのが、上の写真の建物。赤瓦の味噌醤油工場が、なんとも趣が深い。

 その後も、細い道を選び選び歩いていると、突然、家の屋根ごしに、ゆいレールのあの丸っこい車両が通過していくのが見えた。

ゆいレール

 その行く先を追っていくと、遠くに見える東シナ海を背景にして、列車は急な勾配を下っていくではないか。
----こりゃ、絶好の撮影場所だ!
 突然、高校生のころの意識がよみがえった。あのころは、暑かろうが寒かろうが、蒸気機関車を写すためには、労を惜しまず、少しでもいい撮影ポイントを探したっけ。

 もう4時近いとはいえ、真夏の日射しが照りつけるなか、あたりを徘徊した末に撮影場所を決定。雑草生い茂る空き地のなかで、次の列車が来るまで立って待ったのであった。
 まあ、鉄道ファンなどが存在しないであろう沖縄では、こんな姿をしている男は不審者にしか見えないだろう。
 でも、幸いなことに、誰とも会うことなく、10分後にやってきた列車を写すことができたのであった。

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コメント

ようこさん、はじめまして
イタリア話を読んでくださっているとのこと、ありがとうございます!
実家が首里とは、王族か貴族の末裔でしょうか。
実は、ホームページの掲示板に書いているのですが、いま親や妻などを連れて沖縄旅行のツアコン状態です。
那覇、石垣、竹富に泊まりました。首里は観光スポット以外にも、散歩に適したいい雰囲気がありますよね。
「赤マルソウ」というのですか。玉那覇味噌醤油という社名が書かれていましたっけ。

はじめまして。
イタリア話をいつも楽しく拝見させていただいてます。
さて、わたしは実家が首里なのですが、写真の醤油工場は「赤マルソウ」です。
数少ない県産醤油と味噌のメーカーですが、沖縄でも首里の人は知ってて、他の地域の人はあまり知らないという状態です。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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