安里から大道へ
那覇・安里の交差点の南西側に、栄町通りがある。
この通りの脇道を入ると、その手の店がひしめいていることは、那覇の人にはよく知られている。
前回泊まったホテルは、この近くにあったので、近くのスーパー「りうぼう」に夜の買い物に行ったついでに、ついその脇道に足を踏み込んでしまったことがある。
そこで見たおどろおどろしい雰囲気に、さすがの私もたじろいだ。
暗い道の両側に、その筋のおねえさんが、ある人は店の前に立ったまま、またある人は椅子に腰かけて、けだるそうに客を待っている。
客引きの姿がないところを見ると、直接交渉なのだろうか。
開いていたドアから、店のなかがチラリと見えたのだが、部屋の照明がなんと真っ赤。まるでこたつの中を見ているかのようであった。
そんな町も、今回、昼に訪ねるてみると、例の家々はまるで眠ったようであった。
通りには買い物の人が歩いているし、自動車もひっきりなしに通過する。学校帰りの子どもも通っていく。ごく普通の町に見えた。
そして、そのすぐ近くには、きのうブログに書いた栄町市場がある。
5日は、栄町市場の中にある店で、沖縄そばを食べたあと、ぶらぶらと東方向に、つまり大道のほうに歩いていった。
このあたりには、小さな家が立て込んでいて、道がくねくねと曲がっているので、道に迷う快感にひたれるのがいい。
快感をさまたげるのは、台風に向かって吹き寄せる湿った風で、汗びっしょりになったことだろうか。まあ、くもっているので、気温がそれほど上がらないのが幸いだった。
来るたびにビルやホテルの数が増えて、どんどんと姿を変えていく那覇の市内だが、まだまだこんな場所も残っているんだと思ったしだいである。
前回たずねた開南地区ほどの規模ではないが、ちょっと昔の那覇を感じさせる町であった。
ところがである。
ここ、安里地区にも再開発の予定があるという。たしかに、モノレールも通り、交通の便のいい場所だけに、放っておきたくない人たちもいるのだろう。
はたして、この時代がかった町は、いつまでいまの姿を保っていられるのだろうか。そして、誰かがこの町の記録をとっているのだろうか。
そんなことを思いながら、ひたすら写真を撮っていた私であった。
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