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2005-06-03

仙台の赤い傘

 31日は盛岡付近で一仕事をしてから、仙台に向かった。当日中に東京に戻る算段である。
 だが、とうとう悪運がつきたか、朝から雨。
 しかも、仙台到着早々に大失敗をした。駅のコインロッカーに荷物を預けたのだが、鍵をかけたとたん、折り畳み傘を出し忘れたのに気づいた。
 しかし、ここでまた300円を払って傘を出すのは悔しい。雨なんかそのうち止むだろうと、勝手な思い込みをして出発することにした。
 目的地は仙台市内のとある寺院。まあ、市内ならば電車かバスで行けるか、悪くてもタクシーで2000円も出せば大丈夫かと思っていた私である。

青葉区愛子付近

 だが、本屋で地図を見てビックリ。目的地である青葉区は、山の中まで広がっているではないか。作並温泉まで青葉区とは驚いた。
 そして、目的の寺院は仙山線で30分、しかも駅から約3キロも離れている。まあ、それでも駅近くから出ているバスに期待することにした。

 ところがである。着いてまたビックリ、そのバスは2時間おきなのだ。次のバスは50分待たないと来ない。しかもタクシーの姿もない(実は次の駅までいけばタクシーがあった)。
--早足ならば30分で着く。それならば、5時前に現地に到着できるぞ。
 私は意を決して、雨の中を、頭にハンカチを乗せて歩きだしたのである。

 しかし、雨足はいっこうに衰えない。道はだんだんと細くなり、周囲は農地や空き地ばかりとなってきた。もちろん、すれ違う人もない。
--骨が1、2本折れていてもいいから、ビニール傘が落ちていないものか……。

 だが、そんな虫のいい話があるわけがない。
 雨の中を、ひたすら歩いていく私であった。

葉区愛子の大仏

 そして、もう30分近くも歩いたころだろうか。坂道の途中で、道端に赤い物体を見つけた。

 近寄ってよく見ると、なんとほぼ新品の折り畳み傘ではないか。赤と黒のチェックの女物の傘が、きちんと折り畳んだ状態で落ちていたのである。

--おお、これぞ天の助けか地の救い!
 感激しながら、ふと私は上を見た。
 なんと、そこは墓地だった。

 こりゃあ気持ち悪い……などとはけっして思わない私である。これも御仏の思し召しかと思い、ありがたく使わせていただくことにした。
 もう、目的地はすぐ近くだったが、その傘のおかげで最後の数百メートルは気分よく歩くことができたのである。
 それにしても不思議なことがあるものだ。
 これというのも、私の普段の行いがよいからに違いない。

 せっかくだから、傘はそのまま東京まで持って返ってきた。
 だって、あんな田舎道では、置いたままにしても持ち主に戻るかどうかわからないしね。
 こうして、仙台市の奥で拾った赤い折り畳み傘は、いまでもナップザックの中にしまってある。

 それにしても、あんな山の中まで仙台市青葉区とは……。
 そういえば、仙台市と山形市は、全国で唯一、県庁所在地の市同士が接しているということを聞いたっけ。

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ニッポン旅ごころ(東京、沖縄以外)」カテゴリの記事

コメント

てさん、はじめまして!
多忙と風邪引きでコメントが遅くなってしまい、すみません。

>「京都市と大津市」も同じです。。。

あううううー (^^;;
いや、ほれ、そら、京都は県庁じゃなくて、府庁じゃないですか。
だから、「県庁所在地の市同士が接する」には該当しないんですよ……というのは単なる言い訳。

確かに、そうでしたね。
ご指摘ありがとうございます。
もしかすると、最近の合併によって、隣り合う「都道府県庁所在地」は増える可能性があるのかな(道庁はないでしょうが)。
名古屋市と岐阜市は近いけど、一宮市が名古屋市と合併はしないだろうしなあ……。

それは、さておき、今後ともよろしくお願いいたします。

すみません、しょうもないことですが。。。
「仙台市と山形市は、全国で唯一、県庁所在地の市同士が接している」とありますが、「京都市と大津市」も同じです。。。
いつも楽しく読んでいます。これからも頑張ってください。

そうかー、もうすぐFortunaが来るかな!?
でも、ちょっと長めの傘なので、いつものバッグに入れると邪魔なのが玉にキズ。
それ以前に、町の中でさすには、あの色は度胸がいるかも。

こんにちは。
その赤い傘はきっと
”PORTA FORTUNA”ですね。
これからの旅には
かかせないのでは・・・?

おお、Takeさん、いらっしゃいませ。
去年10月の南イタリア旅行ではじめたブログが、それ以後も続いてしまっています (^^;;
今後もだらだらと続いていくでしょう。
よろしく茶々を入れてください。

ずっとご無沙汰をしてしまいました。Blogを始められたのも今ごろになって気がつきました、ごめんなさい(アセアセ)。

トラベルの語源はトラブルだそうで、行った先には何があるかわからないからそんな言葉の親戚になったんでしょう。
でも、この話のようなインパクトのあるトラブルなら、きっと忘れえぬいい思い出になるのかもしれません

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