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2005年6月の4件の記事

2005-06-27

中山道・坂本宿

 中山道・碓氷峠の手前にある坂本宿に立ち寄った。
 場所は、信越線の横川駅近く。

中山道・坂本宿

 かなり昔、バスでここを通ったことがあり、窓から見た宿場町の雰囲気が印象に残っていたのである。
 そのうち、そのうちと思って果たせず、ようやくきのう(26日)になって、仕事のついでに寄ることができた。
 建物はかなり変わってしまっているはずだが、やはり実際に立ってみると、江戸時代に街道を行き来した人びとの気持ちが少しでも伝わってくるような気がする。

坂本宿の家

 箱根に匹敵するという天下の険「碓氷峠」を前にして、当時はかなり栄えた町だったようだ。
 だが、いまでは長野新幹線も停車せず、碓氷峠を越える列車もなくなった。
 碓井バイパスもここを避けて通っているため、車の通行も少なく、ひっそりとしている。
 梅雨晴れの炎天下の中、休む場所もなく、そそくさと次の目的地に向かったのであった。

2005-06-18

湯河原駅のあじさい

 いよいよ梅雨に入り、あじさいが美しい季節になった。
 東海道本線・湯河原駅のホームからも、満開になったあじさいが見える。

湯河原駅

 16日は、仕事がらみで湯河原、箱根と回ったが、湯にも入らず。しかも、午後になって雨足は強くなるばかり。
 昼食に、湯河原で海鮮丼を食べたのがせめてもの救いであった。

2005-06-03

仙台の赤い傘

 31日は盛岡付近で一仕事をしてから、仙台に向かった。当日中に東京に戻る算段である。
 だが、とうとう悪運がつきたか、朝から雨。
 しかも、仙台到着早々に大失敗をした。駅のコインロッカーに荷物を預けたのだが、鍵をかけたとたん、折り畳み傘を出し忘れたのに気づいた。
 しかし、ここでまた300円を払って傘を出すのは悔しい。雨なんかそのうち止むだろうと、勝手な思い込みをして出発することにした。
 目的地は仙台市内のとある寺院。まあ、市内ならば電車かバスで行けるか、悪くてもタクシーで2000円も出せば大丈夫かと思っていた私である。

青葉区愛子付近

 だが、本屋で地図を見てビックリ。目的地である青葉区は、山の中まで広がっているではないか。作並温泉まで青葉区とは驚いた。
 そして、目的の寺院は仙山線で30分、しかも駅から約3キロも離れている。まあ、それでも駅近くから出ているバスに期待することにした。

 ところがである。着いてまたビックリ、そのバスは2時間おきなのだ。次のバスは50分待たないと来ない。しかもタクシーの姿もない(実は次の駅までいけばタクシーがあった)。
--早足ならば30分で着く。それならば、5時前に現地に到着できるぞ。
 私は意を決して、雨の中を、頭にハンカチを乗せて歩きだしたのである。

 しかし、雨足はいっこうに衰えない。道はだんだんと細くなり、周囲は農地や空き地ばかりとなってきた。もちろん、すれ違う人もない。
--骨が1、2本折れていてもいいから、ビニール傘が落ちていないものか……。

 だが、そんな虫のいい話があるわけがない。
 雨の中を、ひたすら歩いていく私であった。

葉区愛子の大仏

 そして、もう30分近くも歩いたころだろうか。坂道の途中で、道端に赤い物体を見つけた。

 近寄ってよく見ると、なんとほぼ新品の折り畳み傘ではないか。赤と黒のチェックの女物の傘が、きちんと折り畳んだ状態で落ちていたのである。

--おお、これぞ天の助けか地の救い!
 感激しながら、ふと私は上を見た。
 なんと、そこは墓地だった。

 こりゃあ気持ち悪い……などとはけっして思わない私である。これも御仏の思し召しかと思い、ありがたく使わせていただくことにした。
 もう、目的地はすぐ近くだったが、その傘のおかげで最後の数百メートルは気分よく歩くことができたのである。
 それにしても不思議なことがあるものだ。
 これというのも、私の普段の行いがよいからに違いない。

 せっかくだから、傘はそのまま東京まで持って返ってきた。
 だって、あんな田舎道では、置いたままにしても持ち主に戻るかどうかわからないしね。
 こうして、仙台市の奥で拾った赤い折り畳み傘は、いまでもナップザックの中にしまってある。

 それにしても、あんな山の中まで仙台市青葉区とは……。
 そういえば、仙台市と山形市は、全国で唯一、県庁所在地の市同士が接しているということを聞いたっけ。

2005-06-01

函館で途中下車

 30日は、札幌から函館に列車で移動。
 本州の人間にとっては、札幌も函館も近くにあると思いがちだが、これが大間違い。
 特急で3時間以上かかるというのは、わかっちゃいたけど、やはり遠い。

函館の裏町

 前日は、弟の車で北海道700キロを走破。仕事は順調だが、さすがに疲れた。

 次の目的地は盛岡、仙台。当初は経費と時間の節約のために、夜行フェリーを使おうと思ったが体力を考えて断念。かといって、飛行機も時間が中途半端だとわかる。
 結局、札幌駅で東京までの乗車券を買い、途中下車しつつ南下することにした。

 それにしても、札幌は晴れて25度という夏日。函館までの沿線では、曇ったり雨が降ったりしていたが、函館についたらすっかり青空。
 しかも、湿度は低く、すっきりしている。
 「ふふふ、やっぱりふだんの行いがいいからな」

 まさか、翌日、その思い上がりの報いがくるとは、このときは知る由もなかった。

函館駅ホーム

 さて、函館の駅は改装され、すっかり明るくなっていた。
 最近の新しい駅のいいところは、地上の出口から、歩いて町に出られることである。
 しかも、この駅はホームも改札口も地平だから、その点は極めて楽である。

 10~20年ほど前にできた大きな駅では、歩行者は地下道を通らされたり、不自然に大歩道橋(ペデストリアン・デッキというらしい)に上げられたりで、実によろしくない。
 盛岡なぞは、新幹線の改札が2階にあり、出口は1階、さらに地下道をくぐらないと町にでられない構造となっており、訪れるたびに気が重くなる。

 とまあ、そんなことを思いながら、駅の近くで海鮮づくしの昼食をとった私であった。
 時間もないし、函館にも何度も来たことがあるので、観光地に向かうまでもない。
 駅前をぶらぶらして、デパートの地下にある古本屋を覗いて帰ってきた。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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