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2005-05-23

商都・高岡の古い町並み

 富山県内にあって、高岡というのは地味な町である。
 大仏があって、銅の生産高が日本一で、路面電車には最新型の連接車が走り、港からはロシアに向かう定期船があって、外国との貿易が盛んであっても、全国的な知名度はいま一つである。

高岡・白金町あたり

 しかし、市内のあちこちに古い町並みがあちこちに残っており、散歩するにはうってつけの町である。
 町並みというと、すぐ近くの金沢に目がいきがちであるが、それに勝るとも劣らない魅力的な町家を高岡のあちこちで目にすることができる。
 それというのも、富山市には終戦直前に大規模な空襲があったが、高岡は金沢と同様に、空襲を免れたからである。

 駅の観光案内のパンフレットによれば、金屋町というところの町並みが見どころだという。
 行ってみると、格子の美しい家々が建ち並んでいた。
 が、どうも落ち着かない。古い家並みは素晴らしいのだが、どうにも整いすぎていて、申し訳ないことに、私のようなひねくれ者には居心地が悪いのだ。

 それよりも印象に残ったのが、JRの線路の北側に残る白金町あたり。これは、何度か北陸本線の車窓から目にして、気になっていたところである。

 行ってみると、確かに古い町並みなのだが、いまの時代に合わせて少しずつ手直しがされている。前を通る道には車も通るし、人も通っている。
 格調の高さは金屋町に五歩も六歩も譲るが、“生きた古い町並み”を見たという気分になれた。

土蔵作りの町並み

 その他、市中心部には山町筋の土蔵作りの町並みがあり、また北部には吉久の町並み(路面電車の新吉久~吉久付近)もあり、どちらも町並みファンには一見の価値がある。
 5月というのに日差しは強く、気温は高かった。ぶらぶらと歩くには苦労したが、なんともいえない充実感を覚えた一日であった。

 ただ、市の中心部には戦前の区割りがそのまま残っているのだろう。どこまで行っても同じような狭さの道ばかりなので、ぼんやりしていると、どこを歩いているのかわからなくなるので要注意だ。
 もう少し、町中に地図があるとうれしいのだが……。

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著書

  • 社会人に絶対必要な語彙力が身につく本[ペンネーム](だいわ文庫)
  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)
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